edamameのテレビブログ

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クリスマスに帰ってきた算太「カムカムエヴリバディ」#31


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 進駐軍の施設から帰る安子(上白石萌音さん)に、ローズウッド将校(村雨辰剛さん)はるい(中野翠咲さん)にとクリスマスプレゼントを渡す。二人が空を見上げると、ちらほらと雪が舞っていた。

 帰宅した安子はるいにプレゼントを渡す。袋を開けるとお菓子がいっぱい入っていて、るいは大喜び。安子はるいにこれは進駐軍さんからもらったと言う。そして、稔(松村北斗さん)が仕事でアメリカと取引するために英語を勉強していたことを話し、稔からもらった英語の辞書を見せる。安子とるいは「メリークリスマス!」と言い合って笑う。

 雪衣(岡田結実さん)がお客様が来ていると言うので、安子が玄関に行くと、そこは算太(濱田岳さん)がいた。クリスマスに算太が帰ってきたのだ。

 安子は算太がいない間に起こった出来事を全部話した。算太は両親と祖父母が亡くなったことを知りショックを受けていたが、安子には「よう生きとってくれた。」と言う。安子も「お兄ちゃんこそ。」と言って泣き出してしまう。

 千吉(段田安則さん)と勇(村上虹郎さん)に戦地での話をする算太に、千吉は金太(甲本雅裕さん)が意地を張って見送らなかったことを悔いていたと話す。算太は以前と変わらない調子のよい感じで、べっぴんさんの雪衣に「わしの嫁さんにならんか。」といきなり言う。雪衣は嫌がり、安子は兄を強い口調で注意した。

 酒がまずくなると部屋から出ようとした算太の前に美都里(YOUさん)がやって来た。美都里は算太を抱きしめ、「お父さんとお母さんに、会いとうてたまらんのじゃろう。」と言う。

 美都里に抱きしめられ、算太は戦地で野垂れ死にする寸前だったときに小しず(西田尚美さん)が突然現れて「戦争は終わっとるんよ。この先に港があるからそこで船に乗られえ。」と言われたことを思い出していた。算太は今までのことを両親に謝って、自分の得意なダンスを見てもらいたいと思っているが、今は何の気力もない。

 すると美都里は「あほうじゃねえ。生きとるだけでええんじゃ。」と算太に言う。そして、自分たちが死んでも子供が生きていればそれだけでいいと思っていると続けた。

 美都里に小しずを重ねる算太。「母ちゃん」と言いながらすすり泣く算太の背中を、美都里は優しくトントンと叩いていた。今日はこれでおしまい。

 クリスマスに算太が帰って来た。安子の気持ちを思って私もうれしかった。

 でも、算太にとってクリスマスは、自分が出征中に起こった悲しい出来事を知る日となってしまった。まさか安子以外の家族がみな亡くなっているとは想像さえしていなかっただろう。算太に限らず、過酷な戦地から帰れば家族と元通りの暮らしができると兵士たちは思って帰ってきたに違いない。

 そんな算太を救ってくれたのはまさかの美都里だった。美都里が算太の前に現れたときは、何を言い始めるのだろうと心配になったけれど、こんなにも算太の気持ちを理解し、優しさで包んでくれるとは。その愛は私の想像をはるかに超えていた。

 美都里は算太に稔の姿を見ていたのかもしれない。息子を亡くした母親の悲しみと両親を亡くした息子の悲しみ。戦争で家族を失っても生きていかねばならない人たちの深い悲しみ。1948年、戦争が終わって3年の月日が流れたというのに、一部の日本人の心のなかでは、まだ戦争は全く終わっていないという絶望感に襲われる。「カムカムエヴリバディ」を見て何度もブログに書いているかもしれないが、戦争は絶対にやってはいけない、と今日もまた強く思う。

 明るい算太なので、どうか立ち直って生きてほしい。そして算太を救った美都里の心にも光が差し込みますように。