edamameのテレビブログ

テレビ番組の感想を思いつくまま書いてます ゆるりとした時間のおともに

大人たち、るいを混乱させないで「カムカムエヴリバディ」#28


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 街で勇気を出して将校(村雨辰剛さん)とシニアの女性の間に入った安子(上白石萌音さん)。将校は花を買いたかったが、女性は野山で摘んだ花を売ったことを怒られていると勘違いしていた。安子が通訳となり、将校は花を購入。代金は20円だったが、将校は怖がらせたお詫びといって多めにお金を支払った。自分の英語が通じて安子は気分が高揚する。

 家で安子の帰りを待つるい(中野翠咲さん)。るいは雪衣(岡田結実さん)に、なぜ自分はお母さんとおはぎを売ったらいけないのか、そして、なぜお母さんは自分をここに連れてきたのかと尋ねる。すると雪衣は、「安子さんは女手一つでるいちゃんを育てることを諦めて、雉真の家にお返ししようと決めたんじゃ思います。」と言う。るいは「返す?」ときょとんとする。そこへ安子がちょうど帰ってきた。

 夜になり、るいを寝かしつけた安子は、写真の稔(松村北斗さん)に初めて英語で話し、うれしかったことを報告する。

 ある日、街で安子は偶然定一(世良公則さん)に会い、経営している喫茶店に行く。定一は進駐軍のクラブで演奏するバンドマンをあっせんしているという。コーヒーが手に入らないので、代わりに出されたコーラを生まれて初めて安子は飲む。定一は昼間からアルコールを飲んでいた。身体を気遣う安子に定一は「飲まずにやっとれるか。」とつぶやく。

 定一の息子・健一(前野朋哉さん)はまだ帰ってきていない。定一は「稔を殺した、健一を殺したかもしれん国の音楽をかけている。アメリカ人喜ばせるためにバンドの世話しおる。」と続ける。安子は娘がいることを定一に報告し、るいという名前の由来を話す。

 夕方、るいは美都里(YOUさん)とあやとりをして遊んでいた。時報が鳴ったので、るいはラジオをつけ「カムカム英語」のオープニング曲を楽しそうに歌う。すると突然美都里はラジオを消し、「稔を殺した国の歌は聴きとうねんじゃ。」と言う。

 安子はまだ外で仕事をしていて帰ってこない。るいは自分の部屋に戻り、一人で「カムカム英語」を聴いていた。ラジオからは、”We can't think of having Christmas without you.”(お前がいなくちゃクリスマスもさっぱりじゃからな。)という例文が流れてきた。今日はこれでおしまい。

 出だしの「安子、通訳になる」のくだりは楽しく見ていたけれど、あとはモヤモヤ。雪衣はるいが安子に不信感を抱かせるようなことを言うし、美都里はるいの日常のひとコマを完全否定。大人たち、どうかるいをこれ以上混乱させないでと思わずにはいられなかった。

 るいのために岡山に戻って来たのに、そのるいが困るような状況になっては本末転倒。安子、もうちょっと家にいたほうがいいよ、家にいる大人たち、安子がいないのをいいことに余計なことを吹き込んでいるよ、とこっそり教えてあげたいくらいだ。

 この時代、大人も葛藤していたんだろうなあ。美都里はラジオを消すだけで憎きアメリカを排除できるけれど、定一は稼ぐため、すなわち生きるためにアメリカを排除することはできないのだ。つらいだろうな。本当に飲まずにはいられないという状況だと思う。

 それなら、夫が戦死した安子はどう思っているのだろう。稔との思い出には英語が必ず出てくる。子供の名前は英語に由来する。安子が英語学習を再開したのは、稔がアメリカに殺されたことよりも稔との思い出を大切にしたいという心の表れかもしれない。冷静に考えると夫を殺した国の言葉を勉強するって結構しんどいことだけれど、それが気にならないというのは、やっぱり恋は盲目ってことなのかな。

 安子にとって英語を学ぶことは稔を思い出すことでもある。でも、稔を知らないるいにとっては英語を学ぶことは文字どおりの意味しかない。英語はお父さんを殺した国の言葉、と認識したるいの心が心配。明日は何かが起こりそうな予感がする。週の後半は要注意。