先日夫が「オモウマい店」を見ていたので、なんとなく一緒に見た。夫はこの番組がとても好きで毎週録画をしている。
この番組は、とある飲食店の映像にスタジオにいる芸能人たちがコメントをする番組。グルメの紹介だけでなく、お店にいる人々の交流も描かれ、それをスタジオの芸能人たちとBGMで盛り上げる一大エンターテインメントだ。
夫はたまに笑い声をあげて楽しそうに見ていたが、正直なところ、私にはこの番組のよさが分からなかった。内容的には夕方のニュース番組のコーナーにありそうだし、芸能人のリアクションが大袈裟に見えたからである。安くて美味しいのが正解、みたいなザ・デフレマインドな感じも苦手。
だけど、私と同い年の夫は楽しんでいる。遅い時間の夕食を食べるときは、頭を使わなくて楽しめる番組がよいそうだ。確かに夫がよく見ている番組は「サウナを愛でたい」や「孤独のグルメ」といったリラックスタイムのお供的な番組が多い。
好みは人それぞれ、と言ってしまえばそれで話は終わってしまうが、私がこの頃テレビをあまり見なくなった理由がここにあるような気がする。私はリラックスタイムのお供や暇つぶしのためにテレビを見ていない。今の私にとってテレビ番組は知らない世界や情報を教えてくれるツールであり、笑いをもたらすエンタメコンテンツでもある。
とはいいながら、私も何年か前までは、帰宅したらあるいはリビングにいたら、とりあえずテレビをつける、を習慣にしていた。特に見たい番組がなくてもザッピングしてそのときに一番見たい番組を選んでいた。ところが、コロナ禍のマスコミ不信やインターネットの充実に伴い、「とりあえずテレビ」という状況がなくなったので、私のなかで「なんとなく見ている番組」というカテゴリーが消えたのだった。
たぶん「オモウマい店」は「なんとなく見ている番組」の位置にある番組だろう。そしてその類いの番組の多いこと・・・。最近ではゴールデンタイムに見たい番組がひとつもなくて、YouTubeを見ることもしばしば。テレビっ子だった私がこんな感じなのだから、若い世代のテレビ離れは当然のことなのかもしれない。
夫が「オモウマい店」を楽しんでいる時間は私は別の部屋にいるか別のことをしよう。見ちゃうとついいろいろ言いたくなるからね。