いつものように、ラジオの前でカムカム英語を聴いている安子(上白石萌音さん)とるい(中野翠咲さん)。優しい声の平川先生(さだまさしさん)がクリスマスの話をしている。
ところがるいの様子がいつもと違う。るいは「おばあちゃんはお父さんを殺した国の歌じゃから聴きとうねえって。お母さん、なんで私はカムカム英語聴きょおるん?」と安子に質問する。安子はその質問に答えることができなかった。
クリスマス。おはぎは全然売れなかった。それもそのはず。安子の目の前でサンタクロースの服を着た進駐軍の人たちが子供たちにお菓子を配っていた。すると先日通訳をしたロバート・ローズウッド将校(村雨辰剛さん)とバッタリ会う。
将校は安子に話をしたいと言うが、おはぎを売らなければいけないからと安子は断る。すると将校はおはぎを全部買い取ると言って、自分のオフィスに安子を連れて行った。おはぎを食べた将校は少し話せるという日本語で「美味しい。」と言う。安子はおはぎについて英語で説明した。
将校は英語が堪能な安子に勉強法を聞くと、ラジオ講座を聴いていると安子は答える。でもそれだけではない、他に大きなモチベーションがあると将校はさらに踏み込んだ質問を安子にする。
稔(松村北斗さん)からラジオ講座を教えてもらったこと、辞書をもらったことを思い出す安子。そして戦争がすべてをめちゃくちゃにした、夫が出征中に出産して子育てをしたと安子は英語で話す。
話しているうちに感情が昂った安子は、稔が戦争でいなくなったのに自分がなぜ今も英語を勉強しているのか、なぜ稔は英語を一生懸命勉強したのに死ななければならなかったのかと将校に泣きながら英語で訴えた。
そっとハンカチを渡そうとする将校に我に返る安子。将校は安子に連れて行きたい場所があると言って、廊下の先にある大きな部屋を案内した。そこでは大勢のアメリカ人が楽しそうにお酒を飲み、食事をしていた。今日はこれでおしまい。
稔との思い出にはいつも英語があった。でも稔は英語を話す国に殺されてしまった。楽しく英語学習をしている安子にもこういう複雑な思いがあったとは。もうその問題は解決しているとばかり思っていたので意外な気がした。もしかしたら解決していたのにるいに言われて思い出しちゃったのかもしれないけれど。
それにしても今日の安子はツッコミどころ満載。
まず、おはぎを買ってくれたからという理由はあれど、ナンパされたアメリカ人についていくのは無防備すぎる。今のところ将校は安子の英語スキルにしか興味がないそぶりだけれど、ピンク・レディーの「S・O・S」っていう歌詞を安子に贈りたいぐらいだ。身の危険がないとしても、雉真繊維の関係者が見ていたら大変な騒ぎになるのだろう。大阪暮らしが長かったせいで、安子には雉真家の長男の嫁としての自覚があんまりないのかもしれないなあ。
それから、安子はどんな人かも分からない将校に赤裸々に話し過ぎ。きっと将校は心のなかで「知らんがな。」と思っただろう。この安子の魂の叫びが明日何らかの形になって、だからこの話が必要だったのね、と納得したい。
あと、どうしてもスルーできなかったのが安子のスピーキング力の高さ。カムカム英語は初級レベルっぽいので、あの講座を聴いたぐらいであんな長い文章を話せるとはとても思えず違和感があった。今放送中の「ラジオで!カムカムエヴリバディ」を聞いて、シャドウイングを熱心にやっていたら話せるかもしれないけれど。
今日一番平和だったシーンはよしお兄さん(豆腐屋きぬちゃんの夫・力役)のいたオープニング。よしお兄さんがいるだけで画面がパッと明るくなる。
明日は金曜日。今週はずっとモヤモヤだったから、明日スッキリしますように。