edamameのテレビブログ

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街頭インタビューで年齢の表示は必要なのかを考える


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 ニュース番組の街頭インタビューを見ていると、大体の場合、画面の右側に20代女性とか50代男性とか、年齢と性別が表示される。

 私はこの年齢表示は何のためにあるのだろう、といつも不思議に思っている。インタビューの回答が明らかに年齢に左右されるものであれば表示しなければならないと思うが、ほとんどの場合そうでないことが多い。

 例えば政治批判の街頭インタビュー。50代男性と表示されていると、その人の意見があたかも50代男性の総意みたいな印象を多くの視聴者が無意識のなかで持ってしまいそうである。もちろん、50代男性は世の中には大勢いてたまたまそのなかの一人の意見なのは頭では分かっているが、50代男性という表示があることで、50代はこう思うのだろうというふわっとした印象が残る。

 私たちは年齢を首からぶらさげて街を歩いているわけではない。そして外見の雰囲気からおおよその年齢は見当がつく。それなのに、街頭インタビューのときだけ年齢を表示するのはテレビ局の「○○代の男性ならこう考えるべき」という押し付けと思うのはひねくれた見方だろうか。

 また、令和の時代において年齢の分類はまったく意味がないと考える。年齢による分類が可能だったのは、昭和~平成前半までなのではないだろうか。1972年生まれの私が子供の頃、40代男性のステレオタイプは専業主婦の妻と子どもがいて、住宅ローンをかかえたサラリーマンだった。私が20代前半の頃は職場の女性たちは次々と寿退職をしていった。

 2020年の国勢調査では40代前半の男性の未婚率は32.2%(ちなみに2000年は18.4%)。5人に1人ならどちらかといえば少数派になると思うが、3人に1人は全く少数派ではない。また、40代で家庭がある男性でもバリキャリの妻がいる人と、妻を扶養している人では生活は違ってくるだろう。むしろ年齢で区分することで、その年代で分断を作ることになってしまう可能性だってある。

 年齢の代わりに、税金のインタビューなら正規か非正規の雇用形態の属性、マンションのそれなら持ち家か賃貸かの属性が示されていたら、的確な分類だとは思うけれど、見ている側もちょっと生々しく感じてしまうかもしれない。また、インタビューされた場合、名前は出さずとも顔出しで「私は正社員です!」とか「非正規雇用です!」なんて情報を世間一般に出したくもない。だからインタビューを受けた人の属性は必要ないのである。

 そういえば、昨日見ていたクイズ番組「くりぃむくいずミラクル9」でも解答者の年齢が名前のとなりにかっこ書きで表示されていた。年齢を表示したほうが視聴率があがるのだろうか。私にとっては無意味な数字が画面に出てきて目障りなだけだった。見た目でおおよその年齢は分かるのは芸能人も同じことである。

 そもそもリアルな社会では人に年齢を聞くのは昔から失礼とされているのにね。