芸能界とは無縁の主婦が失踪した女優の身代わりになるという、どこか懐かしいテイストのドラマである。
スーパーマーケットで働く浜岡妙子(若村麻由美さん)は新社会人の息子・アキラ(中川大輔さん)と会社勤めの夫・陽一(マキタスポーツさん)と暮らしている。ある日突然、男から声をかけられ、失踪した女優・若菜絹代の代わりに謝罪会見に出てほしいと頼まれる。男の正体は芸能事務所「プロダクション曼殊沙華」の西條(時任勇気さん)。迷う妙子に事務所の副社長・安原(西村まさ彦さん)は報酬の300万円を前払いし、妙子は引き受けることに。
トレーニングで身体を引き締め、メイクや服装で完全に絹代になりすました妙子は、絹代の夫・夏雄(沢村一樹さん)とともに謝罪会見を行う。会見は無事成功。これでミッション終了と思いきや、失踪した絹代が倒れたと連絡が入ったので、CMの撮影も打診される。
プロダクション曼殊沙華には別の問題も起こっていた。スタッフ・佳音(葉月ひとみさん)が自殺未遂をしたことについて、原因が過重労働にあり、労働基準監督署への申告を検討していると弁護士・浅野(佐戸井けん太さん)から通告された。
安原は社長の莉湖(木村佳乃さん)に初動が悪かったから弁護士沙汰になったと注意する。莉湖は亡くなった父親の後を継いだ二代目社長なので、肩身が狭い。
夏雄は仕事帰りの妙子に声をかける。喫茶店で夏雄は絹代が倒れたことはウソだと言い、謝罪会見のお礼を述べた。夏雄と会ったこと、夫とうまくいっていないことが重なり、妙子はCM撮影の仕事のオファーを前向きに考え、莉湖と話をすることに。
莉湖は妙子に、事務所には絹代以外のスターが育っておらず、絹代が来秋の映画に出なけれ破産する、と事情を赤裸々に話す。部屋の外では社員たちが耳をそばだてて二人の会話を聞いている。妙子はCM撮影を受けることを決意する。
CM撮影の前日。撮影の練習に挑んだ妙子は、案の定ガチガチに緊張してしまう。すると夏雄は妙子に魔法をかけると言い、妙子の苦手な高い場所に連れ出した。慣れれば高いところも大丈夫だと実感した妙子は、撮影に戻り、笑顔で写真を撮ることに成功。そしてCM撮影も無事にクリア。
一方、妙子のパートの同僚・真由美(猫背椿さん)はモラハラの夫と離婚を考えていた。その夫は弁護士の浅野。また、夏雄の部屋には大きなクーラーボックスがあった。そして、テレビ局を出る妙子に向かって「死ね、このババア。」と若い女性が叫びながら走り寄って来た。気になることがいくつも出て来たところでおしまい。
主題歌が小田和正さんで、西村まさ彦さんと猫背椿さんが出演しているので、「恋のチカラ」を思い出しながら見た。西村さんと猫背さんの役どころもなんとなく似ている感じ。ということは、ハッピーエンドかなあと期待が高まる。
ただ、ちょっと気になったのは、妙子と夫の関係性。妙子は夫に必要以上に気を遣っているし、夫は妙子のことを見下している感じがした。なんだか私の親世代の夫婦関係みたい。そういう家庭の不満もドラマの伏線なのかもしれないが、もっと夫に言えばいいのに、とモヤモヤしてしまった。このドラマのターゲットは私より年上の年齢層なのかも。
平凡な主婦が女優に変身するサクセスストーリーと思って見始めたが、第２話の最後で、ミステリーの要素が一気に増えた。「この素晴らしき世界」というのは華やかな芸能界のことなのか、それとも夢から覚めた現実のことなのか、このタイトルの意味も考えながら次回も見よう。
