edamameのテレビブログ

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突然姿を消した算太「カムカムエヴリバディ」#84


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 ひなた(川栄李奈さん)はモモケン(尾上菊之助さん)に話がしたいと声をかけられる。モモケンが二代目桃山剣之介を襲名したのは先代が亡くなった翌年の昭和40年4月4日。その後、テレビ版の黍之丞シリーズは人気になったものの、モモケンは父が育てた黍之丞を汚しているだけではないかと思っていた。

 そんなときに開催されたサイン会。当時小学生だったひなたはモモケンに回転焼きを渡しながら「侍になりたいです。」と言うと、モモケンは「志を失わなければきっとなれますよ。」と答えた。自分の口から出た言葉に驚いたモモケンは、回転焼きを食べた。甘いあんこの味が口に広がり、以前算太が言ったあんこのおまじないを思い出したと言う。

 モモケンと算太は映画を見ていた。算太(濱田岳さん)はアンパンのあんこをまずいと言い、あんこのおまじないを唱え始めた。「小豆の声を聞け。時計に頼るな。目を離すな。何ゅうしてほしいか小豆が教えてくれる。食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべえ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。その気持ちが小豆に乗り移る。うんとおいしゅうなってくれる。甘えあんこが出来上がる。」言い終わって、おまじないを覚えとった、と涙を流した。

 そして、モモケンは父は自分を見放していたわけでなく、見守ってくれていたと腑に落ちた。後日回転焼きを買いに行ったときに「大月」に飾られていた先代の映画ポスターが目に入る。モモケンは父から「いつかこの映画を撮れ。」と言われた気がした。「志を失わなければきっとなれる。侍にだって、何だって。」というのは父の口癖だったとモモケンは言う。そして、ひなたに「回転焼きをプレゼントしてくれてありがとう。」とお礼を言った。

 家でひなたがるい(深津絵里さん)にモモケンが襲名した日を言うと、るいは「ひなたのお誕生日やね。」と言った。知らない間に「大月」の回転焼きが大好きな時代劇スターたちの運命を動かしていたなんて、ひなたはとても誇らしく思った。

 ひなたが近所を歩いていると算太に偶然会う。算太はモモケンが美味しいという「大月」という回転焼き屋を探していた。それはうちだと、ひなたは案内する。算太はひなたを見ていると妹を思い出すと言う。店の前に着き、ひなたはるいに「このおっちゃんに回転焼き焼いてあげて。」と言うが、振り返ると算太の姿はなかった。錠一郎(オダギリジョーさん)がるいを呼んでいるのを聞いて、算太は気づいたのだった。それきり算太は姿を現さなかった。

 錠一郎と桃太郎(野﨑春さん)は居間で高校野球を見ている。PL学園が負けてしまい、桃太郎は残念がる。そこに小夜子(新川優愛さん)がやって来た。清原君は2年だからまだ来年がある、と桃太郎に話す。錠一郎がテレビのチャンネルを変えると「妖術七変化」の敵役が決まったというニュースが流れてきた。ひなたは映画村の社員だがその情報は知らされていなかった。

 左近役を射止められなかった五十嵐は、ひなたが止めるのも聞かずに回転焼きをやけ食いしている。そこへ轟監督(土平ドンペイさん)がやって来た。モモケンの計らいで五十嵐はセリフのある役をもらえることになったのだ。うれしくて、もらった台本を食い入るように見る五十嵐。

 榊原(平埜生成さん)に一恵(三浦透子さん)とひなたが呼ばれた。新しいステージの企画で、一恵にすみれ(安達祐実さん)の茶道指導をして欲しいという。一子(市川実日子さん)とひなたもそれに加わることになりそう。

 城田優さんのナレーション。

 ひなたはにわかに忙しくなりました。

  Hinata suddenly became busy. 今日はこれでおしまい。

 ついにるいと算太が再会か、と思ったけれど、今日は叶わなかった。なんだかもどかしい気持ちもあるけれど、これは仕方がない。もし算太がこの状況でるいに会う勇気があるのなら、とっくにるいとはつながっているだろう。それが出来ないから何十年もこんな状態なのだ。

 るいは算太のことをどう思っているのだろう。算太は自分がいなくなったあとの安子やるいのことをどれぐらい知っているのだろう。もし算太が自分の取った身勝手な行動を悔やんでいるのならば、るいに真実を全部話してほしいなあと思う。そうすれば、るいは少し救われるのではないだろうか。母が自分を捨ててアメリカに行ってしまった、というのは変わらない事実ではあるが、それに至るまでのいきさつを知ることはるいにとって大きな意味があると思う。

 虚無蔵(松重豊さん)と二代目モモケンは、今回のオーディションを通して過去の苦しみから解放された。次はるいの番だ。るいのどことなく寂しそうな顔が一点の曇りもない笑顔になる日がやって来ますように。