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大阪弁で漫才もできるトウコ「スナックキズツキ」第11話


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 いつも元気で明るい酒屋のこぐま屋さん(浜野謙太さん)は、仕事ぶりが評価され、社員にならないかと声をかけられる。でも、こぐま屋さんにはお笑い芸人になることを夢見て養成所に通う、というもうひとつの顔があった。ところが、ある日、10歳年下の相方から突然コンビを解散しようと言われてしまう。

 田舎から上京した母(平田敦子さん)に食事をおごるこぐま屋さん。母は妹もこぐま屋さんのことを心配していると言っていたが、こぐま屋さんは扁桃腺の弱い妹のほうが心配だ。「また寿司でもステーキでもなんでもおごるよ。」と言うこぐま屋さんに、母は封筒を渡す。最初は断ったものの、「いざというときに取っておきなさい。」と言われ受け取ると、封筒のなかには数万円が入っていた。

 養成所のネタ見せ発表会で、こぐま屋さんはピンでネタを披露するが、あまりウケない。一人夜道を歩いて、こぐま屋さんがたどり着いたのは取引先の「スナックキズツキ」。「今日は客です。」と照れくさそうにお店に入ると、トウコ(原田知世さん)は笑顔で出迎えた。

 こぐま屋さんはクリームソーダを注文。出来上がるのを待っているあいだ、こぐま屋さんは今日のネタ見せ発表会のことを思い出していた。トウコが「今日もお疲れさん。」とクリームソーダをテーブルに置く。きれいな緑色のソーダにアイスクリームとさくらんぼが乗っている懐かしいクリームソーダ

 こぐま屋さんはクリームソーダを味わいながら、お笑い芸人になりたいという夢をトウコに話す。こぐま屋さんは、元相方から10歳年上だから気を遣うし、見てきたお笑いも違うし、感覚が違うと言われたことを思い出し、落ち込んでいた。

 するとトウコは「やってみる?漫才。」と、スタンドマイクを用意して、自分は左側に立ち、大阪弁で話し始めた。最初は乗り気でなかったこぐま屋さんだったが、トウコに誘われるままマイクの右側に立つ。こぐま屋さんは芸人を目指したきっかけ、相方とのコンビ名誕生秘話など、漫才のテンポで調子よく話す。トウコの合いの手も絶妙だ。

 ところが、元相方から面白くないと言われたことを言うと一気にテンションが下がり、こぐま屋さんは「お笑い辞めちゃおうかな。」とつぶやく。すると目をつぶって聞いていたトウコは大きく伸びをして「あ~、よう寝た。」と言う。「寝てたんかい!」とこぐま屋さんがツッコミを入れ、漫才は終了。

 帰りがけにこぐま屋さんは「トウコさん、俺とコンビ組みません?」と聞くと、トウコは「なんでや。」と言いながらも、「いいネタ出来たらね。」と答えた。こぐま屋さんは「新ネタ作るかぁ~。面白くなりてぇ~。」と元気になってスナックを後にした。

 来週は最終回。トウコの回。今まで多くのお客さんの心を救ってきたトウコも傷ついているのかな・・・

 今回は、原田知世さんの透き通る声の漫才が聞けて、なんだかとても得した気分だった。こんなにきれいで面白い漫才師が実在したらいいのにと思うほど似合っていた。女優さんが演技で芸人役やってますという感じが全くなく、ナチュラルなのが素晴らしい。

 ストーリー自体は重かった。いつも楽しいこぐま屋さんにもこんな一面があったとは。私がつらいだろうなあと思ったのは、こぐま屋さんが安心させようと母に食事をごちそうしたのに、その何倍ものお金を渡されてしまうシーン。母親は全部分かっているんだなあ。でも、子供は親に心配をかけたくない。どちらの気持ちも分かるから、とても切なくなる。

 それから、元・相方の山田さんが、勢いにまかせてこぐま屋さんに言いたい放題だったのは悲しかった。年齢が違う、見てきたお笑いが違うって、そんなの結成する前から分かっていることだし、そしてそれはこぐま屋さんにはどうすることもできないこと。

 あなたがコンビを解散したいのは、目指すお笑いの方向性が違うからであって、見てきたお笑いが違うからではない。同世代であっても好きなお笑いのタイプは違うことだってあるだろう。新しい相方を見つけて、漫才がウケて、こぐま屋さんに勝ったと思ってしまったのかな。そんな小さいヤツに負けるな、こぐま屋さん。

 来週が最終回。毎週聞いていたトウコの「今日もお疲れさん。」が聞けなくなると思うと寂しいなあ。クリスマスイブにぴったりの温かい最終回でありますように。