edamameのテレビブログ

テレビ番組の感想を思いつくまま書いてます ゆるりとした時間のおともに

人生何が起こるか分からない「スナックキズツキ」第7話


スポンサードリンク

 ヨシ子(丘みつ子さん)は息子の悟志(塚地武雅さん)と二人で暮らしている。食事をせずに残業をしているサトちゃんの帰りを待っていると、先に食べててと言われてしまう。さらに俺のことは気にせずに旅行やお芝居に行ってきたらという話も出たが、ヨシ子には出かけられる友達がいないし、おひとりさまでも行きたいという気分でもない。

 ヨシ子は町内会の集まりに行くと、自治会長さんに町内に引っ越してきたばかりの女性を紹介される。その女性は娘さんと二人暮らしで、おせっかいな自治会長さんは悟志とその女性の娘さんを引き合わせようとしていた。

 息子がお見合いをすることになんとなく消極的なヨシ子は娘の香保(西田尚美さん)に電話をするが、「お母さん、誰かいい人いないかしらって言ってたじゃない。いつまでも世話やいてないで好きなことしたら。」と言われてしまう。

 ヨシ子が歩いているとスナックキズツキの貼り紙が目に留まる。看板を出しに来たトウコ(原田知世さん)に「ちょっと休んでいきませんか。」と声を掛けられ、ヨシ子はお店に入る。

 ヨシ子はオレンジジュースを注文する。搾りたてのオレンジで作るジュースは新鮮そのもの。トウコは「今日もお疲れさま。」と言ってジュースを出す。その美味しさにヨシ子も思わず笑顔になる。ヨシ子のガラケーに悟志から残業をするというメールが入り、ヨシ子は夕食の用意をしなくていいと気が抜ける。

 トウコはお鍋のふたを開けると、そこにはオニオンスープが入っていた。ヨシ子は人生初めてのオニオングラタンスープを食べてみようと注文する。アツアツのスープを堪能したヨシ子に、トウコは酒屋のこぐま屋(浜野謙太さん)からもらったシャンソンのチケットを見せると、シャンソンの話題になり、ヨシ子はシャンソンの思い出を楽しそうに話す。

 「久しぶりにどうですか。」とトウコはアコーディオンを出してきた。ヨシ子は何を歌ったらいいか戸惑うが、トウコに促され、思っていることを歌い始める。ヨシ子は「おひとりさまだけどかわいそうじゃないわ。頑張ってやってきたんですもの。人生何が起きるか分からない。人生まだこれからなのよ。」と歌う。元気になったヨシ子は帰り際にトウコからシャンソンのチケットをプレゼントされる。

 ケータイに女性から電話がかかってきた。お見合いの話は「なし」になったが、その女性とシャンソンのコンサートに出かけることになった。

 ヨシ子が家でレコードを出して眺めているところに悟志が帰宅した。しばらく使っていなかったステレオで聴いてみようと、悟志が針をレコードに落とすと美しい音色が流れてきた。

 今回、トウコはオレンジジュースを出しながら「今日もお疲れさま。」と言っていた。いつもは「今日もお疲れさん。」だったと思うので、年長者には丁寧語になるんだ!と発見したことがなんだかうれしい。

 香保は子育てをしている現役世代なので、子育てが終わったヨシ子にはもっと自由に楽しく過ごしてほしいと思っている。そしてそれは自分が年取ったときにそう過ごしたいというイメージでもある。

 しかし長年家族のために生きてきたヨシ子は、いざ自由な時間が手に入っても楽しみ方が分からないし、そもそも自由を楽しみたいという感覚がないのである。

 私は今40代で、今自由な時間とお金があったらやってみたいと思うことはいくつもある。でももし70代になったときに同じ好奇心や気力体力を持っているかは分からない。もしかしたら誰かとお出かけをするよりも、自分の家で過ごすほうが心地よいかもしれない。そしてそれはちっとも寂しいことではないのだ。

 40代には40代の楽しさ、70代には70代の楽しさ、90代には90代の楽しさがある。だから、誰とも会わずに家事だけしているヨシ子に「もっと楽しまなきゃ」というのはただの価値観の押し付けなのかもしれない。

 そして積極的に友達探しをしなくても、縁があれば友達はできるものなのだ。ヨシ子は自治会長さんのおせっかいからある女性と知り合う。なんとなく話が合うなあと思っていたら、たまたまトウコからコンサートのチケットをもらい、勢いで誘って見るといい返事。こんなに順調にことが運ぶのはきっとヨシ子とその女性は出会う運命だったのだと思う。

 いくつになっても人生何が起きるか分からない。年を取ると楽しいことは少なくなりそうだなと想像してしまうけれど、そう思ったらきっとそうなってしまうのだろう。でも、年を取っても楽しいことが起こると思っていたら、楽しくなるような気がする。 

 家で帰るのが遅い悟志を待っているとき、家事を淡々とこなしながら待っているのと、大好きなレコードを眺めながら待っているのでは気分が全然違うだろう。そしてその楽しい気分が悟志に伝わり、家が明るくなるのだろうなあ。実はほんのちょっとしたことで人生はパッと明るくもなるし、暗くもなると思う。人間は複雑なようで実は単純な生き物なのかもしれない。スナックキズツキに行ったことで、ヨシ子さんの表情が明るくなって本当によかった。

 来週は明るくてハキハキしている南(堀内敬子さん)がスナックキズツキにやって来る。ああいう表面的に明るい人ほど悩みは深い可能性がある。予告だとタップダンスらしきことをしていた。トウコ、出来ることの幅が広いなあ。