edamameのテレビブログ

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息子を戦地に出す父親の気持ち「カムカムエヴリバディ」#14


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 稔は出征することになった。安子(上白石萌音さん)が神社でお参りをしているところに勇(村上虹郎さん)がやって来た。勇は安子に「兄さんだって今でもおめえのことを思いよる。このままでええんか。」と聞くが、安子は「私には関わりのねえ人です。」と答える。

 杵太郎(大和田伸也さん)は腰痛に加えて肺を患って寝込んでいる。安子が杵太郎の首を拭いていると杵太郎は目を覚まし、安子の頭をなでながら何度も「幸せになれ。」と言って泣いていた。安子もそれを聞いて泣いてしまう。そして、杵太郎はほどなくして亡くなった。

 千吉(段田安則さん)は稔と頭取の娘との縁談をまとめようと奔走している。勇は自分が兄の代わりに家のために結婚するから、兄と安子の結婚を認めてほしい、安子にも一度会って欲しいと話す。千吉は雉真の軍服を着て戦地に行く稔を誇らしい晴れ姿だというが、その声は震えていた。

 千吉は客の振りをして「たちばな」に行った。おはぎが売っておらず帰ろうとすると、接客をした安子が「ちょっと待ってください」と引き留める。安子が奥に入るのと入れ違いに金太(甲本雅裕さん)が店先に出てきて「雉真千吉さんですか。」と千吉に声をかける。

 安子がお汁粉を持ってきた。これは杵太郎の初七日にひさ(鷲尾真知子さん)が作ったものである。甘いお汁粉を食べて千吉は心も温まる。金太は、自分は息子が出征するときに意地を張って家にも入れず見送りもしなかったから、悔いのないように息子さんを送り出されてくださいと千吉に言う。

 稔は浮かない顔で汽車に揺られていた。出征前に頭取の娘と祝言をあげるために岡山に向かっていたのだった。今日はこれでおしまい。

 完全に無理だと思っていた稔と安子の結婚が、ここにきて少し風向きが変わった。勇の言葉が千吉の心を動かしたようだ。でもそれは悲しいかな、戦争に稔が行くことになったからである。

 自分の会社が作った軍服を着て息子が戦争に行く。親としてこんなにつらいことはないだろう。それでも建前では国のために戦うことは誇らしいと言わなければならない時代。家業が和菓子屋だろうが喫茶店だろうが繊維会社だろうが子供を思う親の気持ちは同じである。

 金太は自分が意地を張って、算太(濱田岳さん)を家に入れず、見送りをしなかったことを今でも悔やんでいる。男親としては、家業を継がず借金を作って人様に迷惑をかけている息子を理由はどうであれ許すことが出来なかった。でも出征前は話したかったのだろうなあ。父親と息子って本当に難しい。

 明日は今週最後の放送。金太の言葉は千吉の心に響いたのだろうか。私の願いはただひとつ、稔が心穏やかに出征の日を迎えられますように。