edamameのテレビブログ

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「おめでとう」と渡される召集令状「カムカムエヴリバディ」#13


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 「この度はおめでとうございます。」と役人は言いながら、算太(濱田岳さん)の召集令状を小しず(西田尚美さん)に手渡した。算太は金太(甲本雅裕さん)に勘当され家を出ていたが、入隊のために岡山に帰ってきた。金太は頑なで、算太を家に入れようとしない。小しずは泣きながら算太のためにおにぎりを作る。

 金太は算太の出発のあいさつにも姿を見せなかった。近所の人たちに「万歳!」と見送られる算太。その声を金太は店のなかで聞いていた。

 たちばなの職人たちも次々に召集されて店を去って行った。材料も乏しくなり、商売は縮小していった。

 その一方、雉真繊維は工場を拡張し、衣料品を軍に納入している。東京から帰省した勇(村上虹郎さん)は、千吉(段田安則さん)と神田中佐(武井壮さん)の会話がたまたま耳に入り、頭取の娘と稔(松村北斗さん)の縁談が進んでいることを知る。

 いてもたってもいられず勇は稔の家を訪ねる。勇は稔を殴り、「ふざけんなよ。兄さんじゃからわしは(安子を)諦めた。」と言う。稔は「もうどうだっていい」とすすり泣く。

 安子は小しずと一緒に、小しずのふるさとに行き、小豆を一袋分調達してきた。小しずは自分の着物を売って小豆をもらってきたのだった。杵太郎(大和田伸也さん)は慣れない畑仕事をして腰を痛めて寝ていたが、この小豆でお汁粉を作れば元気になるだろう。

 街では外国語が禁止となり、大学野球では審判が、ストライクを正球、ボールを悪球と呼んでいた。甲子園球場も解体。金属を回収し、武器を製造するためである。

 ジャズは演奏禁止となり、レコードは供出させられた。喫茶店では定一(世良公則さん)がレコードを箱に詰めていた。息子の健一(前野朋哉さん)は出征しているようで、写真が飾られている。

 ある秋の日、安子が頼まれて千人針を縫っているときに放送が流れた。学生も出征することになったという。それは稔も戦争に行くことを意味していた。今日はこれでおしまい。

 遠い国で起こっていた戦争が他人事ではなくなった。若い男性はどんどん出征していった。召集令状を「おめでとうございます。」と言って渡される母親の気持ちを思うと胸が締め付けれられる。泣きながらおにぎりを作る小しずのシーンが、今日は一番悲しかった。

 私はヒロインの安子よりも小しずに年齢が近いので、ずっと小しず目線で朝ドラを見ている。大事な息子・算太に届いた召集令状。それだけでも悲しいのに、金太は算太とまともに会話をすることなく、算太は戦争に行ってしまった。母としては、父子がわだかまりのない状態で出征させたかったと思っていたに違いない。

 そしてお店の職人たちが次々に戦争に取られていくのもつらい。たぶん職人たちは若いときから「たちばな」で懸命に修行してきたのだと思う。それをそばで見守り、一緒に食卓を囲んでいたから、血はつながっていなくても家族同然だったんじゃないかな。

 安子が頼まれてやっていた「千人針」とは、出征兵士の無事を祈るために多くの女が一針ずつ赤い糸で布切れに縫いだまを作ってできるお守りのことらしい。戦争に行く男たちに対して女性が出来ることはこれぐらいしかなかったのだろう。もしかしたら女たちは、好きな人が戦争で死んでしまうかもしれないという、とてつもなく不安な気持ちを千人針で和らげていたのかも。

 悲しいけれど、稔に召集令状が来るのも時間の問題だろう。武井壮さん演じる中佐は商売のコネはあっても、軍の命令をなしにするほどの権力は持っていなさそう。そして、雉真繊維は稔が頭取の娘と結婚する前提で融資を受けているのだから、稔が出征してしまったら状況が変わってしまうかもしれない。算太が出征するよりも稔の出征の影響はとても大きい。

 番組HPで今週の予告動画を見ているのだが、水曜日の時点でほとんどのシーンが放送されているようだ。たぶんまだ見ていないのは神社のようなところで稔が安子に「僕と結婚してください」と言っているシーン。召集令状が届いて、稔は大坂から帰ってきて、出征する前に安子と会うのかな。戦争から帰ってそう言っているのならいいのに。

 明日もまだどんよりしているのだろう。1946が待ち遠しい。来週かな。それとも再来週かな。