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渚は放置なんかされていない「東京放置食堂」最終話


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 毎週楽しみに見ていた「東京放置食堂」の最終回がついに来てしまった。大島の風景とお料理と片桐はいりさんの凛とした表情が今回で見納めと思うと、ああこれで本当に夏が終わるんだなあと寂しくなる。

 島にやってきたのは会社員の東(安藤政信さん)。目的があって大島に来たわけでなく、気づいたら大島に来ていたらしい。タクシー運転手の南波(与座よしあきさん)はそんな東に大島の観光スポットを次々と案内するが、反応があまりに薄いので空回りしている気分だ。

 食事に寄った風待屋で、日出子(片桐はいりさん)がくさやを焼いた。いつものお客さんならくさいくさいと大騒ぎになるところだが、東はくさやのにおいにも反応することなく、ふつうに食べている。話を聞くと特に悩んでいることもなく、順調な人生を歩んでいると言う。淡々と観光をし、ご当地グルメを食べた東は翌日に東京に帰っていった。

 ずっと音信不通だった母からの手紙が届いて以来、渚(工藤綾乃さん)は心ここにあらずという状態が続いていた。どうやら渚の母親は男と別れたらしく、それで渚に手紙を書いたようだ。親に捨てられて自由になったと言っていた渚だったが、実際に母親から連絡が来るといろいろな思いがこみ上げてきて、自分でもどうしたらよいか分からなくなっている。

 ある日、渚が風待屋からいなくなった。部屋に入った日出子は渚がまだ子供だった頃にお母さんと波浮港で撮った写真を見つける。渚は母との想い出がある波浮港にいる、そう思った日出子は自転車で向かう。

 日出子の予想したとおり、渚は波浮港にいた。波浮港は風待屋からは遠く、とても自転車で来れるような場所ではない。渚は自分のために自転車で駆けつけてくれた日出子の優しさに気づく。二人は風待屋に帰り、いつもはお客さんに出しているくさやを食べる。

 そしてこの日は渚の誕生日だった。お寿司のケーキでお祝いをし、いつもの仲間たちがザ・ワイルドワンズの名曲「思い出の渚」を歌う。

 次の日、渚はいつもと変わらずに仕事をしていた。本土には行かないらしい。日が暮れて、風待屋の明かりが灯る。渚と日出子はお客さんが来るのを待っている。

 最終回はかなり深読みしてしまった。東は今までの誰よりも問題を抱えている人物だと思う。もともと感情表現が少ないタイプなのかもしれないけれど、鈍感でないと心が保たれない状況があったのではないだろうか。そのにおいに怒る人もいたぐらいのくさやになんのリアクションも示さないというのは、かなり病んでいるのかもしれない。

 でも、本人は出世もして家族関係も良好でお金の問題もないと言っていた。もしかしたら無意識のうちに自分を押し殺して、会社でも家でもいい人を演じていたのかもしれない。早い段階で大島に来れてよかった。

 そして私が最初からずっと心配していた渚。渚は放置なんかされていないと思う。家族のように渚を想う日出子もいるし、風待屋にはにぎやかしもいる。だから身勝手で気まぐれな母親のことで悩まないで。渚はもう一人じゃないから。

 日出子のことは放置された最終回だった。もうちょっと日出子のことを知りたかった気もしなくもないが、あの自転車で坂道を下るときの楽しそうな様子を見たらそれだけでいいのかも。今、大島で楽しく暮らしているって一目で分かるから。

 はいりさん演じる日出子が大好きだった「東京放置食堂」。来週はいりさんに会えないと思うと寂しくてたまらない。またいつか続編があることを願って「東京放置食堂」のブログもこれにておしまい。

 ※「東京放置食堂」は全話感想を書きました。よかったらカテゴリー「東京放置食堂」で検索してみてください。