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想像どおりの前半+意外な後半が面白い「スナック キズツキ」第1話


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 新しいドラマを見るときはこんな感じのドラマかなとイメージして見始める。自分のイメージと作品が近かったときはうれしいし、思っていたのと違ってもそれはそれで楽しいことも多い。

 2021年10月8日の深夜から始まったテレ東ドラマ「スナック キズツキ」は私の想像どおりの前半と予想外の後半という斬新な組み合わせで私の心を鷲掴みにしていった。

 このドラマはもともと益田ミリさんの同名の漫画が原作。私はこの漫画はまだ読んでいないが、家には「永遠のお出かけ」や「お茶の時間」など益田ミリさんの本が何冊かあり、益田ミリさんは好きな作家のひとりである。だから「スナック キズツキ」というタイトルを聞いただけでこんなドラマだろうとすぐにイメージできた。しかも主演が原田知世さんとくれば、もう答え合わせをしたようなもの。

 さて、第1話はコールセンター勤務の中田さん(成海璃子さん)が引き寄せられるようにスナックキズツキにやって来た。仕事もプライベートもうまくいっていない中田さんはトウコ(原田知世さん)に温かいソイラテを注文する。スナックキズツキは、トウコがお酒が飲めないため、スナックという看板を出しているのにお酒のメニューがないお店なのだ。

 美味しい飲み物で心がほぐれてきた中田さんにトウコはカレーも勧める。中田さんは彼と居酒屋デートをしてきたあとなのに、おつまみをちょっとだけしか食べていなかったからおなかが空いていた。隣のテーブルの皿うどんが食べたいと思っても彼に遠慮して言えなかった。

 半熟の目玉焼きがのったドライカレーを中田さんは完食。すると、唐突にトウコは一曲歌うように中田さんにマイクを渡し、ギターを抱えてスタンバイ。中田さんに好きに歌ったらそれに合わせて演奏するというトウコ。

 最初は戸惑っていた中田さんだったが、上司に代われと言ってくるクレーマーや自分に関心のない彼のことを歌う。トウコの合いの手がほどよく入り、気持ちよく歌い上げる中田さん。お店を出るときは気分スッキリ。

 このドラマを見て感じたのは、自分の心のなかにある漠然としたモヤモヤを吐き出すことはとても大事だということ。そして、誰かに聞いてもらうだけで気持ちは楽になるということ。

 実はスナックキズツキに行く前と行った後の中田さんの状況は何も変わっていない。今後も仕事でクレーマーからの電話はかかってくるだろうし、彼との関係性もあのままだろう。でもスナックキズツキに行ったことで心の傷が癒えているから、明るい気持ちで前に進める。人生ってその繰り返しかもしれない。

 来週はその中田さんにクレームの電話をした女性(平岩紙さん)がスナックキズツキにやって来るらしい。確かにがんばって組み立てたテーブルの脚の長さが違ってガタついているというのは嫌な気分になるだろう。でも、あんなにネチネチ怒る必要はないと思っていた。きっと彼女にも吐き出せないモヤモヤがあるんだろうなあ。

 水曜日の「東京放置食堂」と金曜日の「スナックキズツキ」のおかげでこの秋は心穏やかに過ごせそうだ。「ドラマといえばテレビ東京」の時代がやって来たと私は確信している。