edamameのテレビブログ

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高級肉よりだし巻き卵「スナックキズツキ」第4話


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 今回スナックキズツキにやって来たのは、瀧井さん(小関裕太さん)。コールセンター勤務の中田さん(成海璃子さん)と付き合っているが、無意識のうちにそっけない態度をとってしまうので、彼女は傷ついていた(第1話)。また勤務先の広告会社では、上司の佐藤さん(塚地武雅さん)が話しかけてもパソコンから目を離さずに返事をするため、気の弱い佐藤さんは傷ついていた(第3話)。

 瀧井さんは友達から誘われてバーベキューパーティーに参加する。誘われるまま出席したが、実はセレブの集まりだった。参加者は経営者やお金持ちばかり。同じテーブルにいた若い女性と話すと、来月からドイツに留学するという。彼女の親はビルを経営しているお金持ちなので、働かずに好きなことをやっていいと言われているという。

 瀧井さんの家は裕福ではなかったので、行きたい美大を諦めて学費の安い大学に通い、今もなお奨学金を払っている。ここにいる恵まれた人たちと自分の差に愕然とする瀧井さん。帰り道に何気なく缶を蹴飛ばしたら、スナックキズツキの看板に当たって、看板が一部破損してしまう。

 お店に入り、トウコ(原田知世さん)に看板を壊したことを正直言うと、それより電球の交換をしてと頼まれ、背の高い瀧井さんはささっと交換する。トウコはお礼にとコーヒーを淹れてくれた。コーヒーの香りに心癒される瀧井さん。

 この店のコーヒーは北欧風という話から、トウコと瀧井さんは小説「ノルウェイの森」の話をする。トウコがその本で忘れられないのは「お金持ちであることの最大の利点は『お金がない』って言えること。」という言葉。

 お金持ちは何かを断る口実に「お金がないから」と言うけれど、お金持ちではない人は「お金がない」と言えない。もしお金がないと言ってしまったら、みじめなだけだから。

 トウコは瀧井さんに朗読をしようとちょっと分厚い本を渡す。中身は白紙。自分でストーリーを作るというものだった。まったく気乗りしない瀧井さんだったが、半ば強引にトウコが始めるので、それに付き合うことに。

 瀧井さんは、バーベキューで高級なワインが出てきたときにその銘柄を知らないと正直に言えなかったこと、見たこともないセレブの世界が存在していること、高校生のときの進路選択の後悔について、あたかも文章がそこに書かれているように朗読する。

 ちょっと感情を吐き出したところで、トウコは「何か食べる?」と聞く。瀧井さんは「メニューにない料理もリクエストできますか。」と聞き、だし巻き卵とお願いする。

 トウコは卵焼き専用のフライパンを使い、きれいなだし巻き卵を作る。瀧井さんはお箸でだし巻き卵を切って食べながら、学生時代にお母さんがお弁当に入れてくれただし巻き卵を思い出していた。今は亡きお母さんを思いながら瀧井さんはゆっくりと味わった。帰り道、瀧井さんはお兄さんに電話をした。その声は明るかった。

 そして来週は、瀧井さんがよく利用するコンビニ店員(徳永えりさん)が登場する。

 前半はセレブの人たちとそうでない自分の比較の話だったが、私が今回一番心に残ったのは後半部分。瀧井さんには優しいお母さんとの想い出があり、それはだし巻き卵を食べたらいつでも思い出せるというのは、何事にも代えがたい素敵なことだと思う。高級肉よりだし巻き卵。セレブと自分の比較なんてしなくてよし。

 私は今回は瀧井さんの亡きお母さん目線で見ていたので、思い出してくれてありがとう!と思って見ていた。

 今週は月曜日の「サムライカアサン」も水曜日の「東京放置食堂」も金曜日の「スナックキズツキ」も母と子の話だった。親子って分かり合っているようでそうでもないこともあるし、お互いに気を遣うこともあるだろう。「人の振り見て我が振り直せ」ならぬ、「深夜ドラマ見て我が振り直せ」。