edamameのテレビブログ

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こぐま屋さんとトウコのコラボ「スナックキズツキ」#12(最終回)


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 「本日休みます」とお店に貼り紙をして、トウコ(原田知世さん)は父の七回忌法要のために実家に帰って来た。トウコの実家は洋食屋さん「キッチンまかべ」。今は母がお店を経営している。写真の父に「ただいま。」と声をかけ、漫画を描いていた頃を思い出していた。

 母の淹れてくれた紅茶にホッとするトウコ。すると母がトウコ宛てのハガキを渡す。それは出版社の五十嵐からで、定年退職をするという連絡だった。

 トウコは雑誌に漫画の連載をしていた頃を思い出していた。漫画を描きながら、週末になると入院している父をお見舞いに行っていた忙しい日々。ある日、病院から締め切りの件で出版社に電話を入れたら、漫画の打ち切りが決まったという話を聞かされる。トウコはショックで椅子にへたり込んでしまう。

 トウコが母と話していると、お店にみちるという小学生の女の子がやってきた。トウコの漫画のファンで、学校が終わるといつも漫画を読みに来ている。漫画を読み終わったみちるにトウコは「もう一冊読む?」と聞くと、みちるは一日一冊と決めていると言う。早く読んだら楽しみがなくなっちゃうからだそうだ。そしてこの人の漫画がもっと読みたいとも。

 食事中、お母さんに「ごめんね。」と唐突に謝るトウコ。父が亡くなり漫画も辞めて、実家に帰らなかったことを気にしていたのだ。母は明るく笑って、トウコが元気そうで安心した、と言った。

 実家から戻ると、ちょうどこぐま屋さん(浜野謙太さん)が配達にきていた。トウコはお昼ご飯をまだ食べていないと言うこぐま屋さんにオムライスを作る。父が作っている姿を見て、見よう見まねで作ったオムライス。仕上げにくまのイラストを描いた小さな旗を飾った。かつて東京に行く自分に父がそうしてくれたように。

 こぐま屋さんはオムライスを食べ、すごく美味しかったと満足そう。そしてぐるりと店内を見回して、不便なところにあってお酒のないスナックキズツキが長く続く理由がなんか分かったと言う。そして今回はこぐま屋さんが「歌いませんか?」とトウコを誘う。こぐま屋さんはギターを持ち、トウコにマイクを渡した。

 こぐま屋さんの前奏につられて、トウコが歌い始める。「そんなときは思い出して 町のどこかの小さなスナック 路地を進んだずっと奥 キツツキの絵が目印さ あなたの話を聞くために きっと今夜も営業中」

 夜になった。誰もいないお店でトウコは大きな封筒を取り出した。中に入っていた大きな紙に線を引き、トウコは漫画を描き始めた。おしまい。

 最終回なのに最終回ではない感じがとても好きだなあと思った。こぐま屋さんのギターとトウコの歌声、素敵なコラボだった。浜野謙太さんのギターとハミング、上手だなあと感心していたら、アーティストだったのね・・・。もしかしてそれは有名で、知らないのは私だけだったのかもしれない。そしてトウコも今までのお客様とは違って即興のたどたどしさは皆無で、完全に持ち歌状態。まあ、最終回だし、トウコだし、いいと思う。そのおかげで歌詞がすんなり入ってきて、心地よかった。

 ドラマは終わってしまったけれど、スナックキズツキは「きっと今夜も営業中」。派手さやドラマチックな展開はなかったが、私の心に深く残ったドラマだった。こんなにも最終回のあとに温かい余韻が残るドラマは珍しい。

 できたら続編希望。スナックキズツキに来たお客様たちがその後どうなったか知りたいな。それとトウコの名ゼリフ「今日もお疲れさん。」、流行らせたいなあ。