大人たちのほとんどが整形をしている。整形している人たちはふつうに暮らしているが、そうでないほうを選んだ人たちは、たまに虐げられながら、マイノリティーとして静かに生活し、息抜きに「きれいのくに」というお店で同じ境遇の仲間との時間を過ごしている。
一方、子供たちのなかで整形をしている人はほとんどいない。整形手術が法律で禁止になったからだ。だから、遺伝子レベルで整形をした子供だけが親と同じ美しい顔をしているが、ほとんどの子は整形をしていない顔をしている。
今の子供たちには自分の顔にコンプレックスがあっても整形してはいけないという妙なプレッシャーが潜んでいる。親たちには整形する権利があったのに、自分たちにはそれがない。容姿が気になる10代にそれは結構シビアな問題だ。
凜ちゃんは私から見たらとてもかわいい女の子だ。それなのに自分のことをブスだと思い込み、禁じられている裏整形をする寸前までにいとも簡単にたどり着いてしまった。パパ活で警察官の千葉にさえ会わなければ「きれいのくに」に行くことも裏整形の話を聞くこともなかったのに、と運命のいたずらを恨んでしまう。
このダークな展開の清涼剤は、みんなで行ったカラオケシーンで貴志が歌っていた「青春の影」。チューリップの曲で、リリースは1974年。「君を幸せにするそれこそが これからの僕の生きるしるし」だと。こういう俺が幸せにするぜ的な歌詞の歌を聞くのが久しぶりだったので、「青春の影」をspotifyで聞きながらこのブログを書いている。メロディーも美しい。
さて、今回の「吾郎ちゃんコーナー」は、誠也のお父さんの吾郎ちゃん。白いタオルを頭に巻いているのが定番らしい。晩御飯は唐揚げと千切りキャベツに、ご飯とみそ汁。唐揚げとキャベツは大皿にドーン。凜ちゃんちの素敵夕食風景との対比が面白い。
両家の両親ともローサさん&吾郎ちゃん顔なんだけれど、いくら顔が美形になってもライフスタイルも一緒にスタイリッシュにはならないというのもミソ。それから、吾郎ちゃんは白いタオルを頭に巻いても品のある吾郎ちゃんなのは素晴らしい。
来週はついに最終回。ハッピーエンドの雰囲気は1ミリもないけれど、このドラマがどこに着地するのかを見届けよう。高校生たちが抱えているコンプレックスや閉塞感が少しでも軽くなりますように。