edamameのテレビブログ

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「きれいのくに」(5)を見て思うこと


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 「きれいのくに」(5)を見た。

 母親が、髪を伸ばそうとしていた自分に対して言った「色気づいちゃって」という言葉に嫌悪感を抱き、髪の毛を伸ばすのを止めた誠也。親からの何気ないひとことでおしゃれを封印させられたうえに、彼女がいないことも心配されてうんざりしている。そんな両親は当時多くの人たちがやっていた美容整形をして美男美女になり、結婚し家庭を築いている。

 整形に比べたら髪を伸ばすことぐらい大したことはないのに、と誠也は反発する。しかも、整形は10年前から法律で禁止されており、整形願望があったとしてもそれをすることはできないという状況だ。

 親の世代は、整形をして美しい容姿を手に入れ、結婚相手を見つけ、幸せに暮らしている。だから、整形を禁止している今の法律に疑問を抱くし、整形をしていないことを良しとする最近の世間の傾向には反発する。自分たちがそうしたように、子供も整形して美しい顔を手に入れたほうが幸せだろうと信じている。

 一方、子の世代は、親世代の多くの人が整形し、同じ顔をしていることへ違和感がある。美しい顔を持っているからといってうらやましいとはさほど思っていない。しかし、自分たちの整形をしていないナチュラルな容姿に自信を持っている、というわけでもない。

 ちょっと発想を広げてみると、このドラマは「ほとんどの人が整形手術をして同じ顔をしている親世代」と「整形が禁じられた、バラバラの顔をしている子供の世代」という見た目の分かりやすい対比を利用して、「世代の分断」を描いているのではないかと思う。

 世代の分断はどの時代にもどの国にもあるだろう。でも、今の日本のそれは結構深いと思う。「じゃないほう」の側にいる人を否定したり拒絶したりして自分の立場を守ることは簡単だけれど、それでは溝は埋まらない。共感までは行かなくても歩み寄ることができれば、みんなが居心地のよい社会になるような気がする。

 さて、今回の「吾郎ちゃんコーナー」は、こたつの吾郎ちゃん(誠也の父)。くつろぎアイテムのこたつに入っているのにこんなにスタイリッシュなのはさすが。来週は映画監督の吾郎ちゃんも登場なので、お楽しみに。