edamameのテレビブログ

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本編突入!「きれいのくに」(3)


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 40代の恵理の顔が突然20代になってしまって面食らう夫、という衝撃的な展開は美容整形禁止の啓蒙のために作られた映画のなかのお話だった。

 多くの人がトレンドに流されて美容整形をした結果、ほとんどの大人の男性の顔は稲垣吾郎さん、大人の女性は加藤ローサさんになっていた。あまりに度が過ぎてしまい、健康被害も報告されてきたため、10年前から美容整形は法律で禁止されている。そのため、整形できない高校生たちの顔はバラバラだ。ただし、親が遺伝子の編集で美容整形をした子だけは稲垣吾郎さん風の一昔前の顔になっている。大人がほぼ同じ顔なので、時代的には「じゃないほう」の顔が重宝されるようになりつつある。

 高校生たちは親たちが見た目が同じような人のなかからどうやって結婚相手を決めたのか不思議がっている。そして、自分の容姿をブスだという女子高生は整形してきれいになりたいという願望を持っている。今回はこれでおしまい。

 来週の予告では吾郎ちゃんが歌っているシーンがあった。パパ活をしている女子高生にも何かが起こりそうな予感・・・

 今まで見ていたのは美容整形禁止の啓蒙映画だったのか、と1話のエンディングと同じぐらいびっくりしてしまった。高校生向けの啓蒙映画なら適切でないシーンがいくつかあったとか、時間が長いとかツッコミを入れたくなるけれど、この本編を見てもらうには1、2話のインパクトが必要なのでそうせざるを得なかったと思う。

 確かに吾郎ちゃんとローサさんの顔は美しい。もし彼らのような恵まれた容姿に生まれたら自分の人生も違っただろうなあと平たい顔族の私は思う。でも、それは周囲が平たい顔族で、自分が周囲より美しい場合のみ。みんながこぞって整形して吾郎ちゃんとローサさんになってしまったら、美しい顔がふつうのありふれた顔になってしまうのだ。

 今回の一番面白いシーンは、啓蒙映画のなかで美容整形の説明のときに背景に流れていたアイドルグループの宣伝カーのシーン(放送開始15分後ぐらい)。宣伝カーにはアイドルたちの大きな顔のアップ写真が並んでいる。もちろん顔は全部吾郎ちゃん。表情とか小物で複数の人物を表現しているのだが、黒い帽子をかぶってポーズをとっているのは中居くんぽかったし、歯がきれいな笑顔はキムタクのイメージかなと思っちゃうし、困った感じのおもしろい表情は慎吾ちゃん、その隣の一瞬映る普通っぽいのは剛くんなのかなと、寄せてみてしまう。これは吾郎ちゃんの「ひとりSMAP劇場」だ。メッセージ性の強いドラマのなかにこういうオアシスがあるのはとてもありがたい。

 ちょっと真面目にこのドラマを考えてみた。このドラマは、「美容整形して顔が同じ大人」と、「個性豊かな顔をしている子供」という分かりやすい外見の違いで、世代の分断を表現している。

 今の日本は分断だらけだ。実はずっと前からそうだったんじゃないかと思うが、このコロナウィルスの流行によってそれがはっきり見えるようになり、さらに大きくなってきていると感じる。時代の変わり目においては、変化の波に乗る人、乗らない人(乗れない人)が出てくるため、分断はどうやっても避けられない状況だ。

 それでもできれば世の中を丸く平和にしたい。そのためには、私たちは自分が属していないほうのグループを「否定しておしまい」にするのではなく、理解しようと思う気持ちを持つことが大事なのではないかと思う。

 このドラマはどこへ向かっていくのか全く読めないけれど、最終話を見終わったら何かを受け取れるのではないかと期待している。