先週の「５時に夢中！」で作家の岩井志麻子さんは、アニメ「フランダースの犬」のエンディングの話をしていた。志麻子さんはネロを天国に連れて行こうとする天使を追い返したいと言っていた。絵画のコンクールに落選し、あらぬ罪を着せられて、見たかったルーベンスの絵を見ながら死んでしまうなんて、悔しくて泣けるという。
私も本当にそう思った。少年が人生に絶望して死んでしまう。こんなつらい話はない。そして「フランダースの犬」をまた見たいと思った。40代になった今、もしかしたら「ネロがかわいそう」以外の感情が出てくるかもしれない。
話は変わるが、私が20代の頃、職場の先輩が「アルプスの少女ハイジ」を大人になって見たら、ハイジのあまりの身勝手さにびっくりしたと言っていた。ロッテンマイヤーさんは怖いな、ハイジはかわいそうだな、と私も思っていたので、その話はとても興味深かった。
私にはこのようにもう一度見たいアニメがいくつもあるが、一番見たいのは断然「キャンディ♡キャンディ」だ。こんなにエピソードの多いアニメは他にあるだろうか。
私が一番衝撃を受けたのは、テリィのことが好きなスザナが、テリィをかばって片足を切断する大けがをしてしまうシーン。キャンディとテリィがもう少しで結ばれるところだったのに、テリィは自分を助けてくれたスザナのもとへ行ってしまう。このアニメが再放送されたときに小学校高学年だった私は、友達とこれについて話した記憶がぼんやりある。当時もモヤモヤしたけれど、もし今見たらどう思うのだろう。
それから、キャンディが炭坑みたいなところで、大きな寸胴鍋でシチューだかカレーだかを作って、炭鉱夫たちに出しているという場面をかすかに覚えている。どうしてキャンディがそこに行ったのか、話の前後はさっぱり覚えていないので確認したいと思っている。
あとは意地悪なニール。たぶん最後のほうでキャンディのことが好きになったという話があったと思う。子供の頃の私は、あんなにいじめていたのに気持ち悪いと毛嫌いしていたけれど、今はどうだろう。ニールの気持ちも分かるのか、それともやっぱり気持ち悪いのか。
アルバートさんは一体いつからキャンディを見ていたのだろう、という率直な疑問もある。
でもアニメの「キャンディ♡キャンディ」はもう見ることができないと言われている。もしなにか事情が変わって見られるようになったら、全話じっくり鑑賞したい。たぶん私と同じように、このアニメを見たい人たくさんいると思うなあ。
