地上波放送の「パネルクイズアタック25」が終了したのは2021年9月だった。いわゆる「若者のテレビ離れ」に危機感を覚えたテレビ局が、今までの視聴者をないがしろにして、若者をターゲットにした番組を次々に作り始めた時期である。そして生まれた番組のつまらないことといったら。私も見なかったが、若者も見なかったのだろう。
あれから月日が流れ、最近ではびっくりするぐらい懐古趣味に走っている。昭和の歌謡曲を懐かしむ番組や、昔人気だったスターが当時を語る番組とか。もちろんそのスターが大好きだった人はうれしいだろうし、懐かしい歌を聴きたいときもあるだろう。でも、割合が多過ぎやしないか。どうしてテレビ局はどこも似たり寄ったりの番組しか作らないのだろう。
トークのうまいタレントさんを何人かスタジオに呼んで、キラキラしたVTRを流すので表面的には見栄えのよい番組にはなるんだけれど、見ごたえがない。歌はほとんどがサビの部分だけだし、またこれか、という選曲ばかり。ショート動画をいくつも見ても満たされないのと似ている感覚かもしれない。
こうして、アラフィフの私はテレビ局の変革という名の退化によって、見たいテレビがあんまりないなあ・・・となり、テレビの画面でYouTubeを見ていることが増えている。
しばらくはテレビ局はこの路線が続くのかなあ。そうすると、私ぐらいのまだテレビを見る習慣のある世代がテレビから離れて行くのは時間の問題になってしまう。まあ、女性の2人に1人は90歳以上生きる時代。ターゲットをシニアにするのは短期的には間違いではないやりかただと思う。でもその人たちは年金暮らしで積極的に消費をしない世代。今テレビCMでよく見かけるビールはあんまり飲まないだろうし、車もしょっちゅう買い替えないだろう。果たしてスポンサーは広告の媒体としてテレビを選び続けるのだろうか。
もしどうしても懐古趣味の番組を作らなければならないのなら、もうちょっと別の切り口から作ったらいいのに。例えばお笑い番組とかクイズ番組とかの変遷。それだったらテレビ局の個性も出るし、面白いと思うんだけどなあ。時間は1時間。「もう終わっちゃったの?また見たいな~。」って思うぐらいの長さで。そしたら若者もTVerで見るかもしれないぞ。
ご参考までに「アタック25」が終わるときの恨み節全開のブログリンクも貼っておきます。