ひかり(伊藤沙莉さん)が小原(織田裕二さん)に「ほ・・・」と言いかけたとき、部下と犬を連れた上野原(板谷由夏さん)が突然現れた。ひかりが以前勤めていた会社の社長だった上野原は、執行されてすっからかんになったので、新会社でクラウドファンディングをしていると言う。そして、ひかりの働く保護犬カフェで宣伝してほしいと無理やりひかりを連れて行ってしまう。
事務所に戻った小原はひかりが言いかけた言葉が「惚れているんです」だと妄想してひとりで舞い上がる。そして、栗橋(中島健人さん)にひかりとの仲を聞き、進展していないと知ると「肉食でいかないと！」と言い、渋川(渡辺いっけいさん)にたしなめられる。
事務所に債務者の妻から手紙が届く。債務者は消費者金融からの取り立てを恐れて家族を置いて家を出てしまった。この家に執行補助者として同行するひかりに、長窪(笠松将さん)と栗橋は執行官は債務者と債権者のどちらの味方でもないこと、執行補助者は常に執行官だけの味方だとレクチャーする。
小原たちは債務者の家の前で立会人と債権者のタンタンファイナンス・土山(波岡一喜さん)と合流。債務者の妻が不安な胸の内を話し始めると、「嘘を言うな！」と土山が怒鳴る。小原はこの家には債務者が不在で、換価価値のある動産はないと判断、執行不能となった。
外に出てから土山は「何でもいいから差し押さえろや。」と小原に食い下がる。小原はテレビやエアコンなどは生活に必要な差押禁止動産だと説明するが、それでも納得いかない土山と小原の言い合いは平行線。ひかりの機転で、スマホでパトカーのサイレン音を出して、土山から離れることに成功。その後、土山の行動について、暴力はなかったので、告訴はせず、申し入れが行われることになった。
保護犬カフェでは上野原が店長の由比(ファーストサマーウイカさん)に事業の説明をしている。そこに犬が虐待されているという電話が入る。ひかり、由比、上野原、夏奈(駒井蓮さん)が現場に向かうと、家の犬が窓をカリカリしていた。さらに部屋の奥に住人の高齢女性が倒れるのが見えたので、4人は部屋に入る。ひかりたちはそこで飼われているたくさんの犬の世話と保護を一晩中行った。帰宅したひかりはアパートのソファで寝てしまう。
タンタンファイナンスの弁護人が事務所を訪れた。タンタンファイナンスは賃料の支払いが遅れるなどしたため、入っているビル会社から電気を止められている。裁判所からはビル会社へ３日以内に電気を流すよう命令が出ているがまだ電気は止まったままだと言う。
小原たちが現地へ向かうと、オフィスは真っ暗。屋上の電気室の前にわざと置かれた荷物をどけて電気工事を行おうとすると、ビル会社のコワモテたちが邪魔をする。そこに立ち会いを依頼された警察がやって来ると、ビル会社の態度が一変し、工事は無事終了。オフィスに電気が点き、土山は小原にお礼を言った。
ひかりが小原に言いかけていた言葉は「法律のこと、教えてほしいです。」だった。小原はひかりのやる気がうれしくて抱きしめたいぐらいだが、握手にとどめる。「ケースクローズド。」とひかりが言って、今回はこれでおしまい。
今回の学びは、借金の取り立てをする人＝悪い人、というのはただの思い込みだということ。コワモテが怒鳴り込んで取り立てるから、借金を返さない人が被害者みたいな印象になってしまうが、契約を守っていないのはお金を返さない人のほう。高金利の消費者金融で借金をしなければならなかった事情と借金の返済は分けて考えなければならない問題なのである。
さて、今回面白かったのは、虐待されているワンコを助けに行ったときの会話。上野原が行政に依頼しようと提案すると、由比が時計を見る。夕方５時過ぎ、しかも金曜日。由比が、役所は業務時間過ぎたら一切動かないし、警察は人間以外じゃ命がかかっていても動かないと言うと、夏奈が「クッソ公共機関め、お役所仕事しやがって。」と続けると、上野原も「警察とか裁判所とかは大嫌いなのよ。」と言う。
事実を感情的に話す由比→由比に感化されてヒートアップする夏奈→自分の経験とつなげて怒る上野原、のホップステップジャンプみたいな流れが面白い。こうやって話ってどんどん違う方向にずれていくんだなあ。最後の上野原なんてただの恨み節だし。私がしているふだんの会話も客観的に聞くとこんな感じなのかもしれない。
先月の世界水泳に続いて、8月29日の放送はバスケットボールワールドカップ2023が放送されてお休みだった。午後9時～の枠なのにスポーツ中継が入ってしまうのか。連ドラはやっぱり毎週続けて見たかった。
そろそろドラマは終盤へ。ワンコに囲まれる仕事、おじさまたちに囲まれる仕事、ひかりはどちらの道を選ぶのだろう。執行官を選んだら、小原が「地球に生まれてよかった～！」って喜んでくれるかもね。
