edamameのテレビブログ

テレビ番組の感想を思いつくまま書いてます ゆるりとした時間のおともに

お父さんのギターと哲学「だが、情熱はある」第10話


スポンサードリンク

 2009年。M-1準優勝で一躍スターになったオードリーは、テレビ出演が増える。楽屋のお弁当に喜ぶ春日さんと、テレビ局でどう振る舞うのがいいのか考える若林さん。

 家で若林さんは売れて良かったこと、売れて悪かったことをノートに書いている。そこへ母から「ご飯食べにきたら?」とメールが届く。若林さんは売れて良かったことに「家族への後ろめたさがなくなる」と記入した。

 若林さんは実家に行き、家族と食事。祖母は出演する番組をチェックしてくれている。父は「楽しそうで人生終わらせたくない。楽しむかどうかなんだよ。」と熱弁をふるい、ギターを弾きながら歌い始めた。

 むつみ荘でのロケは3ヶ月間続いた。むつみ荘の前に人が集まっているが、人気があるのは春日さん。インタビューの質問も春日さんばかり。若林さんは友人の鈴木さんにテレビの仕事が繰り返しで面白くないこと、それなのに春日さんは楽しんでいることを愚痴る。

 若林さんが「売れてテレビに出たら幸せになれると思ったが、そうでもなかった。」と谷ショーさんに話す。すると、谷ショーさんは持ちネタを見せて若林さんを元気づけた。

 クイズの優勝賞品のフォアグラが乗った和牛ステーキを試食する仕事。自分を出したい若林さんは「美味しいですけど、人生には必要ないですね。」とコメントしてNG。いつもどおりの流れを要求されて撮り直し。それを島プロデューサーが見ていた。

 そして、オードリーはラジオ番組「オールナイトニッポン」のパーソナリティに抜擢。これは若林さんのトークを見い出した藤井さんの推薦によるもの。さすがの春日さんも緊張している。

 一方、相変わらずしずちゃんのほうが人気のある南海キャンディーズ。そんな折、山里さんに「スッキリ」のクイズコーナーのオファーが来るが、声だけの出演に少し不満気だ。

 しずちゃんはドラマに忙しい。コンビ仲を気にするマネージャーがしずちゃんに話を聞くと、しずちゃんは自分からコンビ解散を切り出すことは絶対にないと話した。

 居酒屋で山里さんと若林さんを島プロデューサーが引き合わせる。実は同期のふたり。島プロデューサーに似ていると言われ、ふたりは嫌な気持ちになる。

 テレビ局で打ち合わせ。島プロデューサーは今ふたりが思っていることを伝えるライブをやりたいと話す。漫才の台本は、山里さんがベースを書き、それに若林さんが追加することになった。いつも相方を引き立たせる台本を独りで作っていたふたりは、この状況をありがたく思っているが、性格がゆえに口に出すことはしない。

 そして「たりないふたり」ライブの本番。前半はトークなしで、ふたりがそれぞれにパソコンに文字を打って、それが舞台の画面に表示される形式。会場は笑い声に包まれた。後半は優しいエピソードをネタにした漫才を披露した。ライブは大成功。

 その後、お笑い雑誌の仕事でトラのかぶりものをすることになったオードリー。ノリノリでポーズをとる春日さんとは対象に、若林さんはしぶしぶ応じる。

 ちょこんとトラをのせただけの若林さんの写真を見て、山里さんは「若ちゃん、とがり過ぎでしょ。」とポツリ。そこへしずちゃんがやって来た。コンビ仲が悪い南海キャンディーズだが、アラーム音をきっかけにふたりはネタの練習を始めた。

 ライブの実績が認められ、2012年にテレビ番組「たりないふたり」放送開始。そして、2016年にクリー・ピーナッツの「たりないふたり」が勝手にリリースされた。今回はこれでおしまい。

 前回のM-1準優勝の喜びから一転、今回はまた暗黒の若林さんだった。自分のスタイルを確立し独自性で売れたのに、売れた瞬間からテレビ局の指示どおりに動かないといけないというのは、とてもしんどいことだろうと想像する。若林さんには自分の想いを吐き出すことができる友人や先輩がいてよかった。そして相方が同じことを何度もやっても楽しめる春日さんでよかった。

 今回一番印象に残ったのは、若林さんが実家に帰ったときにお父さんがギターを持ち出して話すシーン。転職を繰り返していたのは人生を楽しむためだった、と。家族を養う立場ではっきりとそれを言い切れるのは清々しい。家族は振り回されてちょっと大変そうだけどね。もしかしたら自由気ままに見えるお父さんは、とても繊細な方だったのかもしれない、とこの回を見て初めて気が付いた。

 さて、ドラマは終盤になり、山里さんがかっこよく見えてきた。最初の頃は、SixTONES森本慎太郎さんが山里さんにすごく寄せているなあと感心していたが、今はエンディングの山里さん本人の映像もかっこよく見える。山里さんの著書「天才はあきらめた」も読みたくてたまらない。ドラマの最初の頃は今も活躍する芸人さんがこんなに赤裸々に心情を晒していいのかなと心配になるぐらいだったのに。

 とりあえずまだ来週は最終回ではないらしいので、ホッとしている。