クリーニング店に戻り、るい(深津絵里さん)はたこ焼きのソースの付いたジョー(オダギリジョーさん)のシャツを洗濯し、干している。ジョーは縁側に座り、かき氷を食べながら、自分にとっても「On the Sunny Side of the Street」は特別だと言う。
るいとジョーの様子が気になって気もそぞろの平助(村田雄浩さん)はアイロンでやけどをしてしまう。
ジョーは岡山の進駐軍クラブで聴いたサニーサイドの思い出を語る。そのときるいも岡山にいたのかなとジョーは推測する。るいは、子供の頃にクリスマスプレゼントを進駐軍さんからもらって喜んだことを思い出していた。
るいのサニーサイドの記憶は喫茶店で聴いたレコード。そして、名づけの由来がルイアームストロングだと話す。それから進駐軍さんと恋をして自分を捨てた母のことも。だから優しかった頃の母の笑顔を思い出したくなかったと言う。
するとジョーは「会いたいんやなあ、お母さんに。」とポツリ。るいはそれに反発し、ジョーをすぐに帰そうとするが、二人の会話を立ち聞きしていた平助と和子(濱田マリさん)が慌てて入り、夕食も一緒に食べることになった。
夜、和子に促され、ジョーを送るるい。道では子供たちが花火をして遊んでいる。それを見ていたら、るいはジョーを見失ってしまった。ジョーを捜すと、風鈴を買っていた。ジョーはるいに風鈴をプレゼントし、サニーサイドの口笛を吹いた。
そして、るいは部屋に戻る。
城田優さんのナレーション。
お給料でレコードを買おう。るいはそう思い立ちました。
Rui had an idea. She would use the money she had earned to buy the record.
軒下の風鈴が夜風に揺られて音を奏でていた。今日はこれでおしまい。
視聴者の大方の予想どおり、ジョーは進駐軍クラブに紛れ込んでいた少年だった。定一(世良公則さん)の圧巻のサニーサイドをそばで聴いていたのなら、サニーサイドは特別な曲になっているに違いない。
私が気になっているのは、なぜ岡山にいた少年が大阪に来ることになったのかということ。そういえば、定一はどうなったのだろう。もしかしたらジョーの話から岡山編の空白が埋まっていくのかなあと思っている。
るいの母への思いも見えてきた。るいは、母は自分を捨てて男と一緒にアメリカに行ったと思っている。「I hate you.」とるいが言ったことが引き金となって安子(上白石萌音さん)が渡米したとはみじんも思っていないようだ。入学式に来てくれなかったという子供の怒りを真正面から受けて、勘違いされたまま何年も恨まれているって、よく考えたら安子はつらいなあ。
るいも本当は母が大好きだった。大好きだったからこそ、裏切られたときの憎しみが大きくなってしまった。でも、るいはレコードを買う。封印していた過去と向き合う力がようやく湧き上がってきたのだろう。
るいとジョーより、るいと安子が気になって仕方ない。明日も見る。