edamameのテレビブログ

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親子だって話さないと伝わらない「東京放置食堂」第7話


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 買い物をしている日出子(片桐はいりさん)と渚(工藤綾乃さん)は、バス停のベンチに座っている制服姿の女子高生を見つける。島の高校生ではないし、なんだか思いつめている様子。二人はその女子高生が心配になり、後をついていくことにした。

 二人は親子で大島を訪れた観光客を装うものの明らかに不自然。それに気づいた女子高生がたまらずに声をかける。女子高生は真琴(工藤遥さん)という名前で、受験勉強に疲れて大島に一人で観光にやって来ただけだという。

 それなら一緒に遊ぼうと、サイクリングをしたり、花火をしたりして過ごす。日出子は無邪気に笑う渚の顔を見て安心している。夕食はもちろん風待屋で。

 家族に大島にいることをメールしたという真琴に電話のほうがいいんじゃないという日出子。電話はめんどくさいとかたくなに拒絶する真琴を渚は外に連れ出し、電話させる。電話をしても母親にそっけなくされた真琴は、自分は親からネグレクト(育児放棄)されていると目に涙をためながら打ち明ける。

 母親に自分を見てもらいたくて必死に勉強し、模試で全国1桁の成績をとっても、母は自分に関心を持たなかった。消えてしまいたいと思うこともあるという。

 でも、真琴はその気持ちを母親に伝えたことは一度もなかった。日出子はむろあじのくさやを出しながら、「親子だって他人だから話しなよ。」と言う。

 真琴を自分の部屋に泊めた渚は、自分が母親に置いて行かれたこと、今は母親を恨んでいないことを話す。「放置されたおかげで自由になった、だから真琴も自由になって。」という渚。

 それからしばらくして本土に帰った真琴から手紙が届いた。魚を捌いていて手が離せない渚に、真琴からのたわいもない親子げんかの様子が書かれた手紙を音読する日出子。ふと郵便のなかに母親からの手紙を見つけた渚は、魚を捌くのをやめ、手紙を持って二階の部屋に駆け上がる。窓を開け呼吸を整えてから手紙を読む渚。その目に涙があふれる。

 今回いつもと違って面白いなあと思ったのは「くさや」を食べたときの反応。くさやはくさいけど美味しい、と今までのゲストたちは食べていたが、真琴は「しょっぱい」と言っていた。まだ若いからしょっぱく感じたのか、すでに泣いていたから涙の味がしたのかは分からないけれど、このパターンは新鮮だった。確かに干物だからしょっぱそうだ。

 毎週出てくる「くさや」を見て、いつか食べてみたいと思っていたけれど、私はしょっぱいものはあまり得意でないことを思い出した。もしかしたら美味しいよりしょっぱいが勝ってしまうかもしれないことを覚えておこうと思う。

 さて、そんなどうでもよい感想はさておき、親子の問題は見ていてしんどい。真琴はいそがしい母を困らせないようにと小さいときからいい子を演じ過ぎていたのかもしれない。そして母親も、あまり話をしない娘は自分のことを好きではないんだなと思って、近づけなかったのかもしれない。

 今はスマホがあるから、どこにいてもすぐに連絡が取れるという時代になったけれど、近しい人ほど肝心なことは伝えていないのかもしれないなあと感じた。言葉にしないと実は何にも伝わっていないことって多そうだ。以心伝心なんて、デジタルの時代にはそぐわないのかもしれない。

 来週は最終回。私はドラマを見始めたときから必要以上に勝ち気で強気な渚のことがずっと気になっていた。強くなりたくて強くなったわけじゃなくて、強くならないと生きていけなかったのだと思う。あの手紙はいったい何が書かれていたのだろう。

 最終回で本当に話が完結するか心配になってきた。裁判官の仕事に疲れ果てて大島にやって来た日出子にも明るい光が差し込みますように。