edamameのテレビブログ

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「八月は夜のバッティングセンターで。」最終回のレジェンドは・・・


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 最終回らしい最終回だった。本当はリアルタイム視聴をしたかったのだが、その余韻で眠れなくなることも想定して、録画を早朝にテレビ画面で見た。その後、もう一度見たくなってお昼に「ネットもテレ東」でノートパソコンの画面&イヤホンで見た。

 最終回の悩みびとは、叔父(岡田圭右さん)が経営するバッティングセンターでアルバイトをしている高校生の舞(関水渚さん)。今までバッティングセンターに来た悩みを抱えた女性たちは伊藤智弘(仲村トオルさん)の妄想世界に入り込み、レジェンド選手と会話をしたりその生きざまを見たりして、自分で悩みを解決してきた。今回はそれを一番近くで見てきた舞の番。

 明るくて元気な舞には背けている現実があった。高校の野球部のエースとして活躍していた舞は、勝つためにメンバーにもっとハードに練習することを強要した。それが反発を生み、チームはギクシャク。雰囲気がよくないなかで行われた練習試合で、舞はバッターの美希(池田朱那さん)の手にボールを当ててしまう。

 美希のケガは打ちどころが悪く、完治が出来るかも分からない状態だった。完全なアクシデントで、わざと当てたわけではなかったが、舞は自分を責め、野球部の練習に参加しなくなった。そしてボールの投げ方すら分からなくなってしまっていた。

 ある日、野球部のチームメイトがバッティングセンターにやってきて舞に野球部に戻るように説得するが、もうボールが投げられないと舞は言う。その会話のそばで快音を鳴らして豪快にバッティングをする伊藤。舞に勇気を持ってもらいたいと、野球論が始まった。

 妄想の野球場のシーン。先発で投げるように伊藤に言われた舞は投げられないとかたくなに拒絶する。それなら先発は別のピッチャーが投げるから、ブルペンで肩を作れと言われ、舞はしぶしぶ言うことを聞く。

 舞の代わりの先発ピッチャーは上原浩治選手。背番号19の後ろ姿から始まる登場シーンに「上原だ~!」と心のなかで叫んだ。最終回は恒例の舞の「レジェンド選手呼び捨て叫び」がなくて物足りない感じがしたけれど、舞本人が悩みびとなのでしかたない。

 私は物心ついたときからのジャイアンツファンなので、上原投手のユニフォーム姿が見られて本当にうれしかった。「雑草魂」という言葉が真っ先に頭に浮かぶ。最終回にふさわしいレジェンド。生きざまだけで言葉は要らないレジェンド。

 真剣な表情でボールを投げる上原投手。投球を断固拒否していた舞がブルペンでようやくふつうにボールを投げられるようになったときに上原投手が一言「最後はお前が決めろ。」

 マウンドに立つ舞に迷いはなかった。ボールを投げることが出来たのだ。現実の世界に戻ると、美希の家に立ち寄って話をし、部活にも戻れることが出来た。ちょっと駆け足の展開だったが、めでたしめでたし。

 レジェンド選手・上原投手のセリフはたった一言だけだった。セリフは少なかったけれど、投球シーンがたくさん見られて大満足。多くを語らず背中で語る、というのが上原投手っぽくてグッとくる。

 「八月は夜のバッティングセンターで。」は9回にて終了。ドラマとしてもドキュメンタリーとしても楽しめる、とても素晴らしい作品だった。またどこかで会える日を待つ。