edamameのテレビブログ

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25年前のドラマってすごいな・・・「古畑任三郎・VSクイズ王」


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 録画していた「古畑任三郎・傑作選」を見た。唐沢寿明さんが犯人役で出ている「VSクイズ王」。25年前の作品なので、ちょっとレトロな雰囲気があるのかなと思っていたけれど、それが全くなかった。あのオープニングの音楽から引きこまれて、あっという間に見終わってしまった。

 1対1のクイズ番組「クイズ王」で7週連続チャンピオンの千堂(唐沢寿明さん)。一般人だが、この番組をきっかけにテレビCMにも出たり、若い女性からキャーキャー言われたりするほどの人気者になっていた。
 そしてその日、千堂は8週連続チャンピオンを目指し収録に参加しようとしていた。決勝では指定された数字にまつわるクイズを交互に出しあうという形式の問題がある。実は千堂はチャンピオンになってから、極秘で番組スタッフにこの数字をあらかじめ教えてもらっていた。ところが、今回は出題する数字は教えないと言われてしまった。ズルはよくないからと。

 一方、このクイズ番組の予選に出た古畑は早とちりで自滅し、一問も答えていない対戦相手が勝利するという結果に機嫌が悪い。

 どうしてもその数字を知りたい千堂は、仲良しの衣装係・沼田(伊集院光さん)に聞きに行った。ところがもみ合ううちに千堂は沼田を突き飛ばしてしまい、当たり所が悪く沼田は死んでしまった。

 千堂は沼田を事故死に見せかけようと思い立つ。衣裳部屋の外にはお笑い芸人がネタを練習している。自分がふつうに出ていけば必ずばれてしまうが、千堂はトリックを使い、バレずに自分の控室に戻ることができた。古畑はそれを推理するも、確たる証拠がない。そんな折、ふと衣裳部屋にあった小道具の新聞が目に留まる。1面には数学の定理を説いた二人の数学者の名前が載っていた・・・

 ふつうの刑事ドラマは犯人を捜すけれど、「古畑任三郎」では犯人はもう分かっているから捜さない。だから、刑事ドラマという体裁だけれど、これは人間ドラマって感じなのかなあと思う。

 今回の犯人・千堂は苦労してきた塾経営者。クイズ番組で脚光を浴び、一躍人気者になってしまったがために、その舞台から降りることができなくなってしまった。クイズに負けたってもとの暮らしに戻るだけなのに。人間の欲深さ、愚かさ、弱さがよく描かれている。

 こんなに見ごたえのあるドラマが25年も前に存在していたのかと思うと、日本のテレビドラマはすごかったんだなあと感心する。三谷幸喜さんの脚本に、田村正和さんのキャラクターと演技力が合わさった唯一無二の作品。傑作選とか言ってケチケチしないで、全部放送してほしい。平日の午後、コロナウィルスのニュースを長々見るよりは、「古畑任三郎」を見たほうが100倍有意義だ。