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信じるという言葉の重さ「正直不動産」第8話


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 不動産取引流通協会懇親会に出席した永瀬(山下智久さん)と月下(福原遥さん)。会場で永瀬は知り合いの大手不動産営業の神崎からバイロイト不動産の堀内を紹介される。堀内はさっそく永瀬に相談を持ち掛けてきた。月下が手当たり次第に名刺を配っていると、登坂不動産を退職した桐山(市原隼人さん)に再会。桐山は、今は個人で不動産ブローカーをやっているという。桐山は「おいしい話があったら連絡ください。」と名刺を永瀬に渡した。

 永瀬は登坂社長(草刈正雄さん)に、堀内から相談された案件を報告している。けやき野興業という会社が高井戸に所有している300坪の土地を売却したいというものだった。大河(長谷川忍さん)は5億円の超大型案件にノリノリ。登坂は永瀬にこの話を信じていいかと尋ねると、永瀬は信じていいと答えた。

 永瀬は月下とけやき野興業を訪れる。手土産は大河が選んだ豆大福。対応したのは専務と取締役の兄弟。父親は入院中だが、会社をたたみ、土地を売ることも了承済だと言う。永瀬は正直モードが発動して、要は赤字の会社をたたんで債権者に泣いてもらおうってことっすよね、と言ってしまい、月下が永瀬の口を手で押さえてごまかした。

 永瀬がバーで飲んでいるとマダム(大地真央さん)がやって来た。登坂はかつて住元不動産の社員で、クラブのママだったマダムのお店によく来てくれたと思い出話をした。永瀬はなぜ登坂が退職したのかを知りたいが、マダムは教えてくれない。

 永瀬を狙うから情報収集して、と榎本(泉里香さん)に言われた月下はあれこれ永瀬の身辺調査をし始める。

 別の日に永瀬がけやき野興業に行くと、ミネルヴァ不動産が土地を高額で買い取ってくれるという話がきているとプレッシャーをかけられる。

 手土産を買った帰り、月下は偶然、子供と歩いている花澤(倉科カナさん)を見つける。登坂不動産に来ませんかと声をかけたが、花澤はミネルヴァ不動産を辞める気はないときっぱりと言った。

 永瀬はミネルヴァ不動産に案件を取られまいと、手付金は価格の10%(5700万円)で、決済は3週間後という条件をけやき野興業に伝える。するとけやき野興業の態度が一変し、売却に応じるという。この変わりように違和感がある永瀬は、入院中の父親と面会させてもらうが、怪しいところは見つからなかった。

 そしていよいよ契約。書類を交わし、1週間後に手付金を払うことになった。

 手付金支払い期限最終日。永瀬にはまだ引っかかることがあるが、登坂に自分で判断しろと言われる。困った永瀬は桐山に相談する。桐山はけやき野興業を知っており、「似合わないスーツを着た人たちとは仕事をしたくない」と言った。

 永瀬は地面師を疑い、手付金を払う前にすべての疑念は潰しておきたいと月下に話す。永瀬と月下はけやき野興業のオフィスの賃貸仲介をしている不動産会社に行き、話を聞きに行くが決定的ななりすましの証拠が見つからない。近所で聞き込みをしようとしたときに、けやき野興業から電話が入る。

 手付金が払えないことをけやき野興業に謝罪に言ったはずの永瀬だったが、正直に「あなたたち本当は地面師なんでしょう!」と言ってしまい、相手を怒らせてしまう。大河に謝罪に行けと言われた永瀬は月下と土下座大福を持って、けやき野興業に行く。

 ところが、オフィスはもぬけの殻。本当に彼らは地面師で、警察に逮捕されたのだった。

 仕事が一段落した永瀬は、バーでマダムから登坂がかつて地面師に引っかかり、それがきっかけで住元不動産を退職したと聞かされた。

 永瀬はオフィスに戻り、登坂に彼らが地面師と気づいていたのではないかと尋ねた。すると登坂は、地面師にだまされたとしても永瀬を信じた私が責任を取れば済むことだと話した。そして、人を信じるということは相手にすべてをかけることであり、裏切られたとしてもそれはかけた自分の責任でしかない、と続けた。それを聞いた永瀬はこの会社に入ってよかった、世界一の不動産屋にして見せる、と登坂に伝えた。

 風呂なしのアパートに帰宅した永瀬が銭湯に行こうとすると、榎本に声をかけられる。タワマンに住んでいないと驚く榎本の手をとっさに握った永瀬は「二人だけの秘密にしてください。」と話す。榎本は「二人だけの秘密」という言葉にまんざらでもない様子。今週はここまで。

 今週はいつもと違う展開で面白かった、というより恐ろしかった。オフィスも偽物、入院中の父親も偽物、パスポートも偽物って、こんなことが本当にあるんだろうかと思ってしまうほど。でも、百戦錬磨の永瀬と桐山の目はだませなかった。

 今回、一番うれしかったのは桐山の登場。私も月下と同じくらい喜んでしまった。困ったときに桐山を頼る永瀬と忙しい合間を縫って待ち合わせに来る桐山。言葉には出さないけれど、お互い信頼し合っているなあ。さりげなく永瀬にヒントを出すところも桐山らしくて好きだな~と思った。

 登坂が永瀬に言った「人を信じるということは相手にすべてをかけることであり、裏切られたとしてもそれはかけた自分の責任でしかない。」という言葉は重みがあった。  

 「信じる」と言う言葉を私は都合よく使っていたかもしれない。自分が相手にこうあってほしいと思うことだけを信じているから裏切られたという感情が出るのであって、相手のすべてを受け入れて信じていたら何が起ころうが裏切られたと思うことはないのだ。もし裏切られるようなことが起きたとしても、それは相手ではなく、自分の問題。  

 信じるって重いなあ。信じてる、って簡単に言っちゃダメだな~。そして誰かを信じると決めたらとことん信じよう・・・ってもはやドラマを見た感想ではない気がする。こんなにも深い「正直不動産」、残すところあと2話なのがすでに寂しい。

※第8話の用語

不動産ブローカー:日本では宅建の免許を持たずに個人で不動産取引する人のことを指すが、アメリカでは弁護士や医者と同じくらいステータスが高い仕事だと言われている。

地面師:大手デベロッパー(土地や街の開発事業者)をもだます詐欺師