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edamameのお笑い賞レース考察


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 オリエンタルラジオ中田敦彦さんが自身のYouTubeチャンネルで「松本人志氏への提言」という動画を配信した。「The Second」という今年から新しくできたお笑い賞レースでまっちゃんがアンバサダーを務めたのを受けて、お笑いの世界でまっちゃんの権力が強すぎることに物申すという内容だった。

 つい先日も「あちこちオードリー」であっちゃんはお笑いについて熱く語っていた。このとき発言していたのは、何十年もMCが変わらないテレビ業界の停滞。オードリーと相方・藤森慎吾さんがほどよくあいだに入ったので、あっちゃんの発言は強めだったけれど、番組としては面白く出来上がっていた。

 「あちこちオードリー」だけでは言い足りなかったのかな。「The Second」でスイッチが入っちゃったのかな。YouTube配信ではあっちゃんひとりで意見を話していたので、合いの手が入らず、少し笑いも入れながらも全体的にはずっしり重い主張となった。

 私がこの配信のあとの動きですごく嫌なのは、まっちゃんのファンがあっちゃんを、あっちゃん信者がまっちゃんや現状のお笑いをディスって対立が生まれてしまうことである。そして全然関係ないところに飛び火して誰かが傷つくのも見たくない。お笑いって誰かを笑わせて幸せにするために存在するものなのだから、ここでの落としどころは勝ち負けを決めることではなく、お笑い界を盛り上げていこう!であってほしいと願っている。

 このブログではお笑い&テレビ好きの一般人として、アラフィフの私がお笑い賞レースについて思っていることを書いてみようと思う。よかったらお付き合いくださいませ。

 M-1グランプリ(テレビ朝日)、キングオブコント(TBS)、R-1グランプリ(フジテレビ系)、女芸人No.1決定戦 The W(日本テレビ)、THE SECOND~漫才トーナメント~(フジテレビ)。お笑い芸人のための賞レースは思いつくだけでこんなにたくさん。「R-1には夢がない」とM-1で優勝したウエストランドのネタにあったけれど、それでも賞レースの「優勝」という二文字は大きい。知名度はぐんと上がり、そのときの特需で人気をさらえば一躍スターになれるのだ。だからこそお笑いの賞レースには「有吉の壁」にはない独特な緊張感がある。また、賞レースを見る人はお笑い好きなので、純粋に笑いたいだけでなく、誰が面白いか審査したい人も多い。そのため見る側にも緊張感がある。

 ところが、賞レースそのものがかつてとは変わってきているように思う。特にM-1は「まだ有名になっていない面白い芸人を探す」というより「まだ優勝していない人気芸人が優勝するかどうか」を見届ける番組に変わってしまった。

 私はオードリーやサンドウィッチマンM-1に出たときに圧倒されたのを今でも覚えている。それまで全然知らなかった芸人さんが生放送の大舞台でとてつもなく面白くて、彼らのスターへの第一歩に立ち会えた気分を味わった。見ていて本当に楽しかった。

 その後は「決勝進出常連の笑い飯」や「最年長の錦鯉」や「敗者復活からのオズワルド」など、すでに知っている芸人さんたちがM-1で優勝するかしないかが注目されている。それはそれで面白いんだけれど、オードリーやサンドウイッチマンを見つけたときのような高揚感はもう得られないのかなと思うと寂しい。当時と違って今はSNSがあるため「みんなが知らない面白い芸人」がそもそも存在しないので、これはもう仕方ないのかもしれないが。

 そんなM-1を盛り上げるためか、ここ数年はドラマチックな方向へ持って行こうとしているのが見え過ぎてしまい、私は少し冷めた目で見るようになってしまった。審査員も「一番面白い」じゃなくて「この芸人が優勝したら面白い」とか「このタイプの芸人を優勝させたい」という目線で選んでいるような。

 お笑い番組が減っている昨今、M-1は気が付けばニッポンのお笑いを象徴する番組になってしまった。もしM-1がつまらなくなってしまったら日本のお笑い界は大変なことになってしまう。でも、前述のとおり、無名の芸人がスターになるというミラクルはもうこの先は起こらない。となると、あとはMCと審査員を豪華にして番組に箔をつけ、出演者をさらに魅力的に見せるしかない。しかしながら、そこまでやっても無名の芸人がスターになる瞬間にはかなわない。

 そんなタイミングに始まったTHE SECOND。結成16年以上の芸人にとってTHE SECONDはチャンスであることは確かだけれど、M-1にとってはそうでもないのかなあ。「M-1最後の年」という言葉があまり重みを持たなくなりそう。M-1出場が最後の年の芸人さんが「次はTHE SECONDで頑張ります!」なんて言って、今田耕司さんが局が違うってツッコミを入れるまで想像してしまった。

 似たり寄ったりの長時間の音楽番組を各テレビ局が風物詩的に続けているように、今後もお笑い賞レースは存在し続けるのだろう。なんだかんだ言ってもコンテンツとしてはやっぱり強い。お笑い賞レースはほどよく面白くてほどよくドラマチックなところにたどり着いてほしいと、お茶の間のお笑い好きは願っている。

 とりとめのない長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

あっちゃんが出演した「あちこちオードリー」のブログのリンクも貼っておきます。

edamametime.hatenablog.com