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シリーズ”男性目線”変えてみた「第1回性差医療の最前線」を見て


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 土曜日の夜、お風呂あがりにたまたまザッピングをしていたら、面白そうな番組が放送されていた。「シリーズ"男性目線"変えてみた」というNHKの番組で、今回は性差医療の特集だった。

 最初の15分ぐらいは見逃しているので、ブログに書いていいものかとも思ったけれど、とても興味深かったので残しておく。

 長い間、医学の世界では、病気に男女差はあまりないと考えられていた。そのため治験の多くは生理がなく身体の状態が安定している男性が対象となり、その結果をもとに治療法が確立していった。そんな状況に加え、サリドマイドという薬の臨床試験に参加した女性の子供に異常が見られたことにより、アメリカでは女性の臨床試験参加を禁止する勧告が出される。女性の治験は出来なくなってしまったという歴史がある。

 病気に性差があることが認知されたのは1990年代になってから。例えば、狭心症。男性は太い血管が詰まるのが原因で、胸の痛みが主な症状だが、女性は細い血管が狭くなることで発症する傾向があり、首、肩、おなかなどに症状が出るので、心臓の病気だと気づかないという。また、認知症では、男性は血管性認知症が多いのに対して、女性はアルツハイマー認知症が多い。大腸がんについては、男性は肛門の近くに大きい腫瘍ができる傾向だが、女性は大腸の奥に平べったい腫瘍が出来る場合が多く、みつかりにくいという。

 抗がん剤治療においても、男性のほうが副作用が少ない。それは筋肉量の違いによるもの。

 医療に性差があることに気づいたマリアンヌ・レガート博士は、今もなお研究に勤しんでいる。

 男性に多い病気とか女性に多い病気があることは私も知っていたけれど、同じ病気でも男女で症状に違いがあるというのは知らなかった。私が子供の頃より医学はかなり発達していると思っていたが、それは対男性であり、女性はそうでもないのかな、と少しがっかりした。例えば、大腸がんの便潜血検査や内視鏡検査って、女性に多い大腸の奥の腫瘍をどの程度見つけてくれるのだろう。

 でも、病気に性差があることを発見できたのは本当に素晴らしい。しかし、それは裏を返せば今までの臨床試験が不十分だったと言っているようなもの。この研究は当初はものすごく勇気がいることだったのではないかと想像する。

 また、男女平等、ジェンダーレスが叫ばれる現代に、男性と女性は細胞レベルでは一緒ではない、という切り口はとても必要な目線だと思った。その違いを認識したうえで、両者がよりよい関係でいることが男女平等の最適解なのだろう。全部同じにすることが平等ではないのである。