edamameのテレビブログ

テレビ番組の感想を思いつくまま書いてます ゆるりとした時間のおともに

アニー、自ら過去を告白す「カムカムエヴリバディ」#109


スポンサードリンク

 帰国したひなた(川栄李奈さん)は自宅から英語でテレビ電話をしている。新作に日本人俳優が必要と言う女性に、明日何人か会うのでまた連絡すると伝え電話を切った。すると、一通のメッセージが届いた。送り主はNHKの小川(紺野まひるさん)。

 小川とひなたが打ち合わせスペースであいさつをしている。ふたりともマスク着用。小川はキャスティングディレクターとして活躍するひなたの記事を読んでおり、それをひなたに見せた。となりのページにはアクション監督として活躍するブン・イガラシ(本郷奏多さん)が載っている。

 40過ぎて留学するまでラジオ講座を欠かさず聞いていたというひなた。小川は、自分の父は家族でカムカム英語を聞いており、そのときどこかの子連れのお母さんも一緒だったというエピソードを話した。そして、小川はひなたに2024年度のラジオ講座の講師になってほしいと依頼。ひなたは少し驚いている。

 クリスマスフェスティバル会場の控室。ラジオから流れてきたのは、アニーヒラカワ(森山良子さん)の声。ひなたはラジオの前に座って聞いている。錠一郎(オダギリジョーさん)はそれに気付き、るい(深津絵里さん)に伝える。

 アニーは1925年にシアトルで生まれた日系アメリカ人で、ワシントン州立大学で演劇を専攻していたと磯村(浜村淳さん)に紹介された。磯村に初めて見た映画を聞かれたアニーは英語で「風と共に去りぬだったかしら。」と答えた。磯村はそれが公開されたのは1939年で、日本では初代モモケンの黍之丞シリーズ第2作「棗黍之丞 仁義剣」の映画が公開された年だと話した。「アニーさん、ご覧になりましたか。」と磯村が聞くと、アニーは黙ってしまった。間を持たせるために曲を流そうとすると、アニーは「見ました。」と突然日本語で話し始めた。

 アニーが日本語を話したのでひなたは驚く。アニーは話を続ける。その映画を大阪でのちの夫になる人と一緒に見たこと。結婚してひと月も立たないうちに夫は娘を授かったことを知らずに出征し、そのまま戻ってこなかったこと。娘を連れて家を出たこと。貧しかったけれど、娘の顔に傷をつけてしまうまでは幸せだったこと。

 夫の実家に戻ったが、歯車は狂ったきり。家業のお菓子屋を再建したい、義父の財力に頼らず娘の傷を治したいと、若かった私は自分のことばかりで大切なことを見失っていたこと。幼い娘の胸の内を本当には分かっていなかったこと。

 そしてアニーは突然「るい。」と呼びかける。「るい。お母さん、あれからなんべんも考えたんよ。なんでこねえなことになってしもうたんじゃろうって。私ゃあ、ただるいと二人、当たりめえの暮らしがしたかっただけじゃのに。じゃけど私ゃあもう向き合うことができなんだ。ただ消えてしまいてえと思うた。るいの前から消えることが、るいにしてやれるたったひとつの詫び方でそして祈り方じゃあ、そねえ思った。るい。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅう・・・るい。」

 状況が分からず困惑する磯村は「ありがとうございました。」と言ってインタビューは終了。

 るいは「お母さん。」とうろたえる。アニーさんがおばあちゃん、と驚くひなた。桃太郎はアニーを引き止めようと言う。

 トミー(早乙女太一さん)は放送局に電話したほうがいいとアドバイス。錠一郎はるいに、アニーのことはひなたにまかせて、サニーサイドを演奏しようと話す。

 ひなたはタクシーで岡山駅へ。榊原(平埜生成さん)にアニーのスケジュールを調べてもらうと、今日の13時40分関空発のフライトでアメリカに帰るという。ひなたは、ジョージ(ハリー杉山さん)の携帯電話の番号を榊原に教えて欲しいとお願いした。岡山から関空までは2~3時間。間に合うかギリギリだ。

 その頃、アニーとジョージは空港でエスカレーターに乗っていた。今日はこれでおしまい。

 アニーは安子だった。たぶんそうだろうと思っていたけれど、まさかこんなド直球で来るとは。アニーの告白に感情移入したい気持ちと、公共の電波で超個人的な告白しちゃって大丈夫?という気持ちが出てきて、私は泣くことができなかった。こういうとき、自分がもっと素直な性格だったらよかったのになあと思う。

 それでも、突然何十年ぶりに母親に「るい。」と呼びかけられたるいの気持ちを思うと、胸がいっぱいになる。るいは1944年生まれなので、2003年だと59歳。安子から「るい。」とラジオ越しに呼びかけられたるいは、まるで小さな子供のようだった。

 さて、明日は時間との戦いになりそう。まず、アニー改め安子を関空で引き止めることが第一関門。そして、安子をフェスティバル会場へ連れて行き、るいたちのサニーサイドの演奏に間に合わせるまでがミッション。そのカギを握るのはジョージ。うまく立ち回ってくれるといいなあ。

 そして、るいと安子の再会の陰に隠れて、実は中年ひなたのキャリアがすごいことになっているのも気になるところ。今日分かったことは、40過ぎて留学→キャスティングディレクターになる→2年ぶりに日本に帰国→ラジオ英語講師のオファーを受ける。

 ということは映画村は退職したのだろうか。そこらへんの心境の変化も描いてくれるといいなあと思うけれど、放送はあと3回だから難しいかな・・・

 明日も濃い15分になりそう。安子とるいが再会する場面を想像するだけで今からドキドキしている。