edamameのテレビブログ

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10年分のバースデーケーキ「妻、小学生になる。」第1話


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 幸せを絵に描いたような3人家族。その中心にいるのは天真爛漫な貴恵(石田ゆり子さん)。ところがある日、貴恵が交通事故で亡くなった。それから10年の月日が流れるが、夫・圭介(堤真一さん)と一人娘・麻衣(蒔田彩珠さん)は生きる気力や喜びを失ったまま、ただただ毎日を過ごしていた。そこへ小学生の万理華(毎田暖乃さん)が貴恵が生まれ変わりとして家に戻ってくる。

 妻が小学生に生まれ変わるというファンタジー設定も、お母さんが亡くなるという泣かせよう作戦もあまり私の好みではない。でも、TVer堤真一さんの寂しげな表情が気になって見始めたら、一気に引き込まれた。

 堤真一さんの頼りないお父さんは「スーパーサラリーマン佐江内氏」を思い出す。佐江内氏ではかっこいい見せ場があったけれど、このドラマの圭介はずっと沈んでいる。貴恵がいなくなってしまって本当に寂しいのだろう。小さい娘に笑顔を取り戻そうという気持ちにもならないのだから、その悲しみは察するに余りある。

 私が今回の話で一番泣いたのは、バースデーケーキのシーン。貴恵が亡くなってから麻衣のアルバムの写真は一枚も増えていなかった。アルバムの一番最後のページに貼られていたのは麻衣の10歳の誕生日を祝う家族の写真。それを知った貴恵が麻衣にバースデーケーキを贈ったのだった。

 いちごのホールケーキには数字の書かれたクッキー9枚がデコレーションされている。11から19まで、つまり貴恵がいなくなってから祝っていなかった麻衣の誕生日の年齢分。そして「まい おたんじょうび おめでとう」と書かれたクッキーのとなりには数字の20を型抜きしたクッキー。10年分のバースデーケーキ。

 私はつい細かいツッコミをしたくなるタイプなのだが、このドラマに関してはそれはもうどうでもいい。最終回まで、圭介と麻衣が、小学生になった貴恵の力で元気になっていくのをただただ見守りたいと思う。そしてこのドラマを見ることで、コロナ禍で疲れた私たちの心も元気になれますように。