るい(深津絵里さん)が改まって平助(村田雄浩さん)と和子(濱田マリさん)に言いたかったのは、ジャズ喫茶Night and Dayのサマーフェスティバルに行きたいので、その日は仕事を早めにあがりたいというものだった。妄想好きなるいはテレビ番組「私の秘密」に自分が出演し、解答者に平助と和子がいる様子を思い浮かべていた。二人はるいの申し出を快諾する。
開店前のジャズ喫茶。トミー(早乙女太一さん)がトランペットの練習をしていると、音が荒れているとジョー(オダギリジョーさん)が指摘する。トミーは渡辺貞夫の渡米が決まり、先を越されたのが悔しい。ジョーはトミーがアメリカに行きたがっていることに驚くが、トミーはジョーがアメリカに行きたいと思っていないことに驚く。
るいは和子と一緒に洋服屋さんに行き、サマーフェスティバルに着ていくワンピースをいくつか試着。和子は娘のようなるいとショッピングが出来て楽しそう。るいもこの家の娘に生まれていたらよかったと本当に思っていた。
サマーフェスティバル当日。ベリー(市川実日子さん)は真っ赤なドレス、るいはシャーベットピンクのワンピースを着て、ジャズ喫茶にやって来た。舞台裏でるいを見たトミーはワンピースは地味なのに気品があふれていると言い、るいのことを雉真繊維のお嬢さんだと確信する。トミーはジョーにその話をするも、ジョーは雉真繊維という社名を知らないので、話にならない。
ベリーとるいは同じテーブルで演奏を見ることになった。トミーが舞台に上がると客席の若い女性たちから歓声があがる。ベリーは、トミーの親はクラシックの音楽家で、名家ゆえに苦労しているとるいに話す。
次に登場したのはジョー。ジョーはるいをちらっと見てから、「On the Sunny Side of the Street」を演奏する。るいは演奏を聞きながら、安子(上白石萌音さん)のことを想い出していた。今日はこれでおしまい。
過去を忘れたくてやってきた大阪で、偶然ジャズと出会い、母を思い出す。るいにとって、いずれ通らなければならない道ではあるけれど、なんだか見ていて心が苦しくなった。
るいという名前じゃなかったらこんなに注目されなかっただろう。でも、るいという名前だったからこそ出会えた人たち。稔(松村北斗さん)はまさか自分の名づけがこれほど子供の人生に影響を及ぼすとは思っていなかったに違いない。
近いうちにるいは雉真繊維のお嬢さんだということを周囲に知られることなるだろう。ジョーはそういうのに興味がないので何も変わらなさそうだが、ベリーがどうリアクションするのかが楽しみ。るいが自分と同じくお嬢様だった、そしてお嬢様ゆえの苦労をしてきたと分かれば、友達になるのは必然ではないか。
「アンナチュラル」のミコト(石原さとみさん)と東海林のように、「大豆田とわ子と三人の元夫」のとわ子(松たか子さん)とかごめのように、ベリーとるいがいい関係になったらいいなあ。るいの恋人選びよりこっちのほうが気になって仕方ない。
安子はきぬちゃん(小野花梨さん)がいてどれだけ助けられただろう。過去と向き合うときが来てしまったるいを救ってくれるのはベリーしかいないと思っている。でも、これは私の願望。ベリーはるいに嫉妬するだけの役かもしれない、ということも心の片隅に置きながら明日のカムカムも見ることにする。
