大島を視察するためにやって来た、都議会議員の白鳥(濱津隆之さん)と若い女性秘書の久田(小宮有紗さん)。昔ながらのやりかたで自分の感性のままに動きたい白鳥と、デジタルを駆使して効率的に進めたい久田は、視察先でも意見が合わない。
温泉まで満喫し、住んでいる人たちの声を聞きたいと居酒屋に行くことを決めた白鳥に久田は渋々付き合い、風待屋にやってきた。
風待屋には、いつものとおり、日出子(片桐はいりさん)と渚(工藤綾乃さん)がいる。日出子が出したのはうつぼの唐揚げ。久田は怪訝な顔をして「美味しいんですか?」と聞き、手を付けないが、白鳥は美味しく食べる。
以前から白鳥の「ネットで情報を集めずに自分で確かめるやり方」は非効率だと不満を持っていた久田は、この視察自体が税金の無駄だと怒り始める。一方、白鳥は情報収集はネットやSNSで十分と考えている久田に「あんたの存在が一番非効率や。」と言い放つ。久田は秘書を辞めると言い、風待屋を出て行ってしまった。慌てて出て行ったので、久田はタブレットをお店に忘れたことに気づかない。
次の日の夜、一人で視察をし終えた白鳥が風待屋で飲んでいる。日出子はくさやを白鳥に出すが、そのにおいに耐えられずに鼻をつまんでしまう。日出子は「ネットやSNSから逃げているだけでしょう。くさいものにふたをしてきたんでしょう。」と言い、渚は久田の忘れていったタブレットを白鳥に見せる。そのタブレットには大島の情報がきれいにまとめられていた。
そこへ久田が表れた。くさやを食べに来たという。自分で確かめるという白鳥のやり方を実践してみようと思ったのだ。くさいけれど食べると美味しいことが分かった久田はくさやを無理やり白鳥に勧める。お互いに歩み寄った二人は和解し、翌日大島から本土へ帰っていった。
渚が釣りをしているところへ日出子がやってきた。渚は白鳥がSNSで発信しているのを見つけて日出子に見せた。そして二人は日出子が買ってきた冷たいたい焼きと温かいたい焼きをそれぞれ半分こにして食べたのだった。
このドラマで気づいたことは、デジタルデバイドは単にインターネットが使えるか使えないかという問題ではなく、相手にどれぐらい寄り添える気持ちが持てるかということ。
年長者はそれなりに経験値があるため、自分のやり方が正しいと思ってしまうし、新しいものを取り入れる必要性を感じていない。一方、若者は便利で効率的なデジタルを使おうとしない年長者を理解できない。相手をディスったり、お互いに無関心ではデバイドはさらに広がるばかり。
今回、久田は白鳥のやり方を自分も試してみることで、その良さが実感できた。また、白鳥も久田のタブレットを見て久田の仕事ぶりとデジタルの便利さに気づくことができた。相手を動かしたい場合はまず相手の状況を理解することが大事なんだなあ。
ガラケー持ちの日出子とスマホユーザーの渚がうまくいっているのは、お互いを理解し、尊重しようという気持ちが存在しているからなのだろう。
まさか自然豊かな大島のドラマでデジタルデバイドを考えることになるとは思わなかった。ヒンヤリたい焼きも温かいたい焼きも、どちらも美味しく味わえる人間になりたい。