edamameのテレビブログ

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テレビ離れ考察①報道番組


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 Twitterの日本のトレンドに「テレビ離れ」という言葉があがっていた。

 子供の頃からテレビばかり見て、今テレビブログを書いているテレビ大好きの私でさえこの頃のテレビは何か変だぞと思い始めている。特にコロナウィルスが流行してからはそれが顕著になってきて、このままだとテレビは廃れてしまうのではないかと思っている。視聴者目線でその問題を考えてみた。

 ある日の夕方のニュース。「コロナウィルスの感染者が増えているから、県をまたぐ移動はしないでください」とアナウンサーが注意喚起をする。しばらくすると、東京オリンピック聖火ランナーが九州を走っているニュースになり、その締めでは「明日は〇〇さんが登場します」としれっという。〇〇さんは東京に住んでいる有名人。

 「県をまたぐ移動はするな」って視聴者には言っているけれど、「有名人ならいいんかい?」とツッコミを入れたくなる。いっそのこと「聖火ランナーは『選ばれし者』なので県をまたいでいいんです!」とでも言ってくれたら私は「ふ~ん、それならご勝手に」と無表情になるが、たぶん世間は大炎上だろう。

 せめてひとつの番組内では筋を通してもらえないだろうか。例えば、あるニュース番組は「経済より感染者を減らすことが大事」というポリシーでずっと報道する。だからgo toイートも東京オリパラ開催も否定的。テレワークやオンライン授業の現状、医療従事者の現場の声、感染者の具体的な病状や後遺症を多く伝えて、何よりも感染者を減らすことを優先するよう訴える。

 また別のニュース番組はウィズコロナ路線。人が動かないともうからない業種の人たちを応援する。コロナ禍でも楽しめるお出かけスポットの紹介や東京オリパラをやらないときの経済損失など、そこそこの感染対策をして経済を回さなければ日本がまずいことになるという路線で報道する。

 そうしてくれたら視聴者は混乱しない。番組の色をはっきりと出してくれたら、私たちもそのつもりで見ることができる。ああ、自分の価値観と合っていないと思えば違う局のニュースを見たらいい。日によって知りたい情報が違うこともあるだろう。

 残念ながら、日本では好きなキャスターの番組を見る、というジャーナリズムとは全然関係のないところでニュース番組を選ぶしかない。報道の自由があるのだから、万人受けを目指さずに一歩踏み込んだ報道をしてくれたらいいのになあと思う。

 とは思うが、実際にはニュース番組の後ろにはスポンサーと視聴者がいる。スポンサーが車の会社だったり、外食チェーン店だったら、お出かけは絶対ダメ!なんていう報道ばかりするわけにもいかないだろう。また、お出かけしよう報道ばかりだったら、こんなに感染者がいるのにけしからん!と視聴者からクレームが入るだろう。

 そうやって、誰に対してもいい顔をしたい、というかいい顔をしなければ番組が作れない状況だから、今のようなニュース番組しか作れないのだと思う。

 東京オリンピックの中止が決まったら、たぶんどの局もこぞって中止による経済損失を伝えるだろう。開催が決まったら決まったで、感染拡大の懸念を伝えるだろう。どちらになっても批判をするだけ。「そこにジャーナリズムはあるんか?」と大地真央さんに言ってもらいたい。