edamameのテレビブログ

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俳句をエンタメにした「プレバト!!」の功績


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 毎週木曜日は俳句を見るために「プレバト!!」を見る。芸能人が俳句を作り先生が添削をしランキング形式で発表するという、Eテレの俳句番組のような内容なのに、バラエティとして成り立っているというのがこの番組のすごさだ。

 今でこそ「プレバト!!」は人気番組だが、ゴールデンタイムに俳句の番組を作るというのは、企画段階ではとても勇気のいることだったと思う。私にとって、俳句は学校の国語の授業で習ったきり。読書は好きでも俳句は高尚で難しい気がして、それまで俳句に関する本は読んだこともなかった。多くの視聴者にとっても、俳句は遠い存在だったのではないだろうか。

 「プレバト !!」では、着物を着た夏井いつき先生がズバッと芸能人が作った俳句を添削する。一流芸能人だろうがアイドルだろうが添削に忖度がまったくないのが見ていて気持ちいい。17文字という限られたなかに作者は季語と思いを込め、読む人は情景を想像して楽しむ。

 言葉が足りず作者の思いが伝わらない句、季語がかすんでしまう句、ふつうの文章のような句など、私もだんだん俳句の良し悪しが分かってくるようになってきた。テレビを見て楽しんでいるだけだが、継続は力なり。少し前までは、夏井先生の解説を聞いているだけだったけれど、今は夏井先生はこう直すだろうとか、梅沢富美男さんの俳句は今回はボツかもとか予想して解説を聞くようになった。それが当たるとよしっ!と心で小さくガッツポーズをしている。

 昨日出演していたフルポン村上健志さんは、「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」という本を出版したと番組内で宣伝していた。私は村上さんの優しい俳句が「プレバト!!」のなかで一番好きなので、さっそくamazonでチェックしてみたところ、なんと句集のカテゴリーで1位になっていた(2021年5月7日時点)。ちなみに2位は2018年発売の「夏井いつきの世界一分かりやすい俳句の授業」。プレバトの教え子と先生がワンツーフィニッシュだった。

 梅沢富美男さんが毎週がんばって俳句を作っているので、永世名人の句集が出版されるのが待ち遠しい。その一方で、句集が出たら梅沢富美男さんはどうなるのかが気になっている。夏井先生との掛け合い漫才のようなやり取りがとても面白いので、句集が完成してもぜひ違う形でずっと出演してほしいと思っている。

 また、プレバト俳句名人の中田喜子さんはEテレの俳句番組の司会(第3週)を先月から担当している。中田さんは「プレバト!!」では表情の豊かさをいじられているけれど、「NHK俳句」でも満面の笑みで司会をしていた。プレバト俳句が好きな方はぜひ見てほしいと思う。

 「NHK俳句」は日曜日の朝に放送されていて、私は早起きした日は見ている。でも昔から見ていたのではなく、「プレバト!!」を見るようになってから見始めた。「NHK俳句」には視聴者から何千という句が送られてきているそうで、番組で紹介される句はほんのごく一部。そのため俳句のクオリティーがとても高い。まさか自分が日曜日の朝から俳句番組を楽しく見るようになるとは思ってもいなかった。

 ちなみに夏井先生はYouTubeで「夏井いつき俳句チャンネル」をやっている(もちろん私はチャンネル登録済)。YouTubeで俳句をやって成功しているのは、「プレバト!!」で俳句の面白さが伝わったからだと思う。

 もし「プレバト!!」がなかったら、俳句は今のように社会に浸透していなかっただろう。何百年後の国語の教科書に「プレバト!!」で生まれた俳句が松尾芭蕉小林一茶の句と並んで掲載されるのかなあと思うと感慨深い。